Oracle、新ミドルウェアブランド「Oracle Fusion Middleware」を発表へ

Oracleは4月25日に、PeopleSoftおよびJ.D. Edwardsとの連携を視野に入れた新しいミドルウェア製品ライン「Oracle Fusion Middleware」を打ち出す計画だ。

» 2005年04月25日 18時42分 公開
[IDG Japan]
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 Oracleは4月25日に、同社のミドルウェア製品ラインで「Oracle Fusion Middleware」という新しいブランドを打ち出すともに、新たに取得したPeopleSoftおよびJ.D. Edwardsのアプリケーションとこれらのミドルウェア製品との連携を認定する時期を示したロードマップを発表する。

 Oracle Fusion Middlewareラインには、同社のJ2EEアプリケーションサーバ、連携/データ管理用ハブ、ビジネスインテリジェンス/コラボレーション/アプリケーション開発ツール、BPEL(Business Process Execution Language for Web Services)に対応した管理/セキュリティ/認証管理製品が含まれる。Oracleのデータベースおよびビジネスアプリケーションは、Fusion Middlewareに含まれない。

 Oracle Fusion Middlewareの製品マーケティングを担当する同社のリック・シュルツ副社長は4月22日、「この新ブランドはミドルウェア分野における当社の広範な製品を束ねるものとなる」と語った。

 PeopleSoftおよびJ.D. EdwardsのアプリケーションとOracleのミドルウェアとの連携動作の認定に向けたスケジュールは今四半期からスタートし、第1弾としてPeopleSoft EnterpriseアプリケーションがOracleのBPEL製品およびインターネットディレクトリと連携する予定だ。今年10〜12月期には、OracleのJ2EEコンテナ、ポータルサーバ、インテグレーションサーバ、認証管理製品などの技術とPeopleSoft Enterpriseとの連携が認定される。

 またOracleは今年7〜9月期に、自社のJ2EEサーバならびにポータルサーバ、認証管理製品およびBPEL製品とJ.D. Edwards EnterpriseOneとの連携を認定する。さらに2006年第1四半期には、OracleのWebサーバコンポーネントおよびそのほかのミドルウェア製品とJ.D. Edwards EnterpriseOneとの連携を認定する予定だ。

 シュルツ氏によると、Oracleはアプリケーションの連携を認定するだけであり、同社が製品の再構成を行う必要はないという。「実際に行う作業の大部分はテストと認定だけだ」と同氏は話す。

 この認定作業は、Oracleが最近PeopleSoftを買収したのに伴う措置である。

 「PeopleSoftとJ.D. Edwardsの取得に伴い、われわれは大きなインストールベースを手に入れた。顧客からは『これらのアプリケーションと当社のミドルウェア製品を組み合わせて使用できるようになるのはいつか』という問い合わせがきている」とシュルツ氏は話す。

他社データベースもサポート

 データベース分野の大手であるOracleは現在、IBM DB2やMicrosoft SQL Serverなどの競合データベースに対応したアプリケーションを保有する。シュルツ氏によると、少なくともあと1年間は、これらのアプリケーションとライバルデータベースとの組み合わせがサポートされる予定だという。ただし同氏自身は、この件についてコメントする立場のOracle広報担当者ではないとしている。

 「われわれは異種混在環境のサポートと維持にコミットしている」(同氏)

 Forrester Researchでアプリケーション開発とインフラを担当するジョン・ライマー副社長によると、Oracleは、取得したアプリケーションと他社のデータベースを組み合わせて使うのを顧客に認める公算が大きいという。

 「顧客側の問題として、彼らは変化を好まないということがある。変化にはお金がかかるからだ。このため、Oracleが我慢して、DB2やその他の非Oracleデータベースをサポートするかどうかが問題になるだろう。Oracleはそのつもりだとしている」とライマー氏は話す。

 「Oracleは、顧客を自社のデータベースに移行させるために何か良い方法を考え出そうとするだろう。例えば、顧客が使用中の他社製データベースのライセンスを流用できるようにするというのも1つの手だ」(ライマー氏)

 一方、「Project Fusion」も姿を現そうとしている。シュルツ氏によると、このプロジェクトは、Oracle、PeopleSoft、J.D. Edwardsのアプリケーションを統合し、これらの基盤にOracle Fusion Middlewareを据えるというもの。

 「他社のデータベースもサポートする狙いがそこにあると思う」とシュルツ氏は話しながも、自身はOracleのアプリケーション部門の広報担当者ではないと繰り返している。

 ライマー氏によると、Oracleが計画中のFusionアプリケーションで他社製データベースを使用するのを認めるかどうかは、まだ分からないという。

 「Project Fusionについては何も明らかになっていない」(ライマー氏)

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