「W杯チケット当選」かたるSober亜種が急拡散

2006年ドイツで開かれるワールドカップのチケットが当たったと称し、添付ファイルを開かせようとするワームが急激に広まっている。

» 2005年05月04日 08時47分 公開
[ITmedia]

 ワールドカップサッカーのチケットが当たったと称して添付ファイルを開かせようとするSoberワームの亜種が急激に感染を拡大、ウイルス対策ソフトメーカー各社が注意を呼び掛けている。

 このワームはメーカーによって「Sober.p」「Sober-N」などの名称で呼ばれている。McAfeeのウイルス情報によれば、Windowsのバージョンによって英語またはドイツ語のメールで届く。内容は複数のバリエーションがあるが、ドイツ語バージョンでは2006年にドイツで開かれるワールドカップのチケットが当たったと称し、添付ファイルを開かせようとするものがあるという。FIFA担当者の連絡先と称する電話番号やメールアドレスまで記載されている。

 添付ファイルの名称は「account_info.zip」「Fifa_Info-Text.zip」などさまざま。これを開いて実行すると感染し、Windowsディレクトリに新しいディレクトリを作成して自らをコピー。感染したマシンからメールアドレスを収集してワーム付きメールを送信する。

 Sophosは5月3日、同社が各国に設置している監視基地で全ウイルスのうち77.03%をこのワームが占め、過去24時間で最も広く蔓延しているウイルスになったと報告。ユーザーのメールボックスが一杯になり、企業ではメールの到着にいつもより時間がかかるといった現象が起きる可能性があるとしている。

 「世界最大級のスポーツイベントに参加したいと思い、もしかして当選が本物だった場合のために、危険を冒しても添付ファイルを開いてみる価値があると思ってしまう人が多いのかもしれない。現時点でインターネット経由で送信されているウイルスのうち3件に2件をSober-Nが占めている」と、同社セキュリティコンサルタントのグラハム・クルーリー氏は指摘している。

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