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» 2005年05月30日 10時10分 UPDATE

Keri's Business English Clinic:SEもEnglish(6)――「聞き手としての英語〜多国籍英語の聞き取りは難しい」

今回は聞き手としての英語について。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)

[光藤京子,ITmedia]

 今日は、アジア人の英語について少々お話したいと思います。私がかつて通訳者として研修を受けていた頃、アジア犯罪防止研究所(正式名は忘れましたが・・)という所で2年ばかり仕事をしていました。

 アジア各国から、判事、弁護士、検察官などが集まって、犯罪防止のためにさまざまな議論をしたり、日本の司法や警察などの仕組みを学ぶのです。彼らの通訳をまだ研修中の2名の通訳がすべてこなすのですが、それぞれのお国訛りには泣かされました。インド、バングラディシュ、シンガポール、フィリピンなど、日本人の英語とはまったく違うアクセントです。しかも彼らは流暢ときていますので、会議の同時通訳の時は、常にハラハラドキドキでした。

 では、英語圏の人だからといって聞きやすいかというと、そうでもないことは皆様も経験済みでしょう。以前、私が日豪の石炭交渉の通訳をやった時、相手の英語がよく聞き取れず、隣のロンドンで英語を学んだ同僚にほとんど通訳を任せた苦い経験があります。私の場合、耳にしてきた英語がアメリカ英語であるために、今でもBBCよりCNNのほうが聞きやすいし、イギリス、オーストラリア、ニュージーランドの英語よりは、アメリカ人の英語のほうが、どんなに早口でもスーッと耳に入ってきます。

 アイルランドの医学会議に参加した時もそうでした。会議の合間にダブリンを離れてバスで田舎のほうに向かったのですが、バスのガイドさんの英語は何を言っているのかさっぱり。私だけがリスニング音痴なのかと心配になって、同行した3人の先輩に聞いたところ、そのだれもがあまり理解してなかったことを知り、安心した記憶があります。(この3人というのは、通訳界で有名な方ばかりですが・・)同じアイルランドでタクシーに乗った別の先輩の場合は、運転手の言うことがさっぱりわからず、ショックで通訳をやめようかと思ったという話も聞いたことがあります。

 結論は、世界各国にはいろいろな英語があり、聞き取れないのはこちらの責任ではないということです。しかし、ビジネスともなると、わからないでは済まされませんね。どうやったらリスニング力が向上するかを次回お話しようと思います。


 この記事は、メールマガジン「B-zine」の内容を新たに加筆して掲載しています。 

光藤京子(みつふじきょうこ)

愛称はKeri。元国際会議通訳者。現在は、東京外国語大学、同大学院、青山学院大学で通訳や英語を教える他、英訳・校正専門の日英翻訳グループTASを主催。最新の著書には、『シネマで見つけた 気持ちが伝わる英語表現』(ジャパン・タイムズ)がある。


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