今回は英語の訛りについて。(特集:顧客満足度ナンバーワンSEの条件)
前回は、「発音とスピード」についてお話しました。ただし、それは、いわゆる正統派と言われているアメリカ英語やイギリス英語を考えてみた場合です。実は一口に英語と言っても、世界全体を見たら教科書の付属テープのような正統派の英語ばかりではありません。
非英語圏の人の喋る英語にはいろいろな訛りがあるので、映画にはそれをネタにしたジョークもよく登場しますね。また映画と言えば、女優のニコール・キッドマンがロシア語圏から来た女性の役をやっているのを見たことがあります。上手だったかどうかはわかりませんが、極端なロシア語訛りの英語で話しているのが興味深かったです。
ちなみに、彼女はオーストラリア育ちですが、見事なアメリカ英語を話します。レニー・ゼルウィガーは逆で、アメリカ人なのに見事なイギリス英語を話します。やはり、俳優はその辺自由自在なのですね。
さて、私たち日本人はどうかと言いますと、程度の差はあるものの、もちろん特徴があります。テレビの多重放送で聞く放送通訳者の中にもネイティブと聞き間違うほど上手な人もいますが、やはりなぜか日本人とわかります。それは長年日本語を第一言語としてきたことが発音に影響しているからです。
私自身の英語も他人からは必ず「アメリカで学びましたね」と言われますが、意識しないとwの音がuに近くなることがあります。これは日本人の訛りとしては典型的なものです。日本語は比較的口を動かさなくても話せるので、口をかなり突き出さないと発音できないwの音は難しいんですよね。
では、このような訛りはどう解決したらよいのかと言いますと、多少であればあまり気にしなくてもいいと思います。前回言っていたことと矛盾するようですが、間違った発音をするのと訛りがあるのは違います。前者は相手に理解されませんが、後者はむしろチャーミングに聞こえます。
よく言われることですが、日本人以外のアジアの方たちが比較的流暢な英語を話すのも、そういった訛りにあまりコンプレックスを持っていないからです。「ラスト・サムライ」の渡辺謙さんは随分と頑張ったらしく、比較的聞きやすい英語を話していましたが、多少の日本語訛りを残しているところが逆にいいですね。発音には十分注意しながらも、「訛りは日本人であるアイデンティティのようなもの」という気持ちで英語を喋れば、何だか自分の英語に自信が持てる気がしませんか?
この記事は、メールマガジン「B-zine」の内容を新たに加筆して掲載しています。
光藤京子(みつふじきょうこ)
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