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» 2005年06月20日 11時32分 UPDATE

Opinion:AppleがIntelに乗り換えた最大の理由は?

Appleの路線転換の理由については多くの意見が飛び交っている。しかし、同社がIntelプロセッサに乗り換えた理由は、IBMやPowerPCとはあまり関係がない。

[Larry Loeb,eWEEK]
eWEEK

 先日行われたAppleのWorldwide Developer Conferenceでは、Appleが約1年後にIntelプロセッサに移行するというビッグニュースが飛び出した。Appleの路線転換の理由については多くの意見が飛び交っているが、筆者の見方はこれらとはやや異なる。

 この移行は、PowerPCのアーキテクチャや価格、IBMの熱意の欠如などとはあまり関係がないというのが筆者の考えだ。それどころか、実際のプロセッサハードウェアとはあまり関係がないと考えている。

 筆者の考えでは、近い将来のネットワーキングに関することが最大の理由だ。どういうことか説明しよう。

 Trusted Computer Group(TCG)は、Microsoftの予防的セキュリティ構想「Trusted Computing Platform」から生まれたマルチベンダー連合である。この構想をハードウェアメーカーに強制することはできないことを理解したMicrosoftは、それを権威づけ、「オープン標準」の体裁を整えるためにTCGを結成したのだ。

 TCGは先ごろ、「Trusted Network Connect」(TNC)プロトコルの最初のバージョンをリリースした。TNCは、ウイルスやワーム、DoS(サービス妨害)攻撃など、コンピューティングネットワーク(ワイヤレスネットワークを含む)の共通の弱点を突いた脅威が広がるのを防止するのが狙い。さらに最近、RADIUSサーバおよび802.1xクライアント向けのTNC規格のインプリメンテーションが発表された。

 TNC規格は生まれたばかり(バージョン1.0)だが、クライアントごとに、あるいはネットワークごとにネットワークアクセスをコントロールすることを狙った初のプロトコルでもあるため、全社的なワイヤレスネットワークの配備を進めている担当者にとっては検討に値する規格だ。また、将来のTNC対応ネットワークにアクセスできるようにしたいと考えているユーザーにとっても、これは重要な問題だ。

 TNCは、ネットワークへの接続を求めるユーザーを認証するのに複数の方法を使用する。その1つが、TCG対応コンピュータに組み込まれる「Trusted Computing Module」(TCM)ハードウェアである。

 さて、ここからが本題である。TCMは当面、非Intelマシンでは利用することができない。というのは、必要な機能を実装するのにIntelのチップを必要とするからだ。TNC方式のネットワークに参加するためには、(少なくとも当分は)Intelハードウェアをベースとする必要があるのだ。

 Appleは、Microsoftの次世代OS「Longhorn」でサポートされる、この新しいネットワーキングプロトコルに注目したのだ。このプロトコルを適切に実装すれば、ユーザーにメリットをもたらすと同社は考えた。Appleは、現行のハードウェアを使い続ければ、何年もの間、TNCベースのネットワークから締め出されると思い、焦ったのだ。

 ネットワークから締め出されるのではないかという恐れに加えて、IBMがシングルコアのPowerPCシリーズのクロック速度を改善しない(MicrosoftのXbox用マルチコアチップではそうしているのに)という不満が、Appleに異なるハードウェアを探すよう促したのだ。

 その一方で、MicrosoftがかなりのチップビジネスをIBMに与えるのを見ていたIntelがいた。彼らが寂しい気持ちを抱いていたのは間違いない。そこに、市場が今後向かわざるを得ない方向性(あなたの会社のネットワーク全体がTNCに対応することになったら、それに従うしかない)に合ったホットなハードウェアを探しているAppleがやって来た。そして彼らは取引をした。

 あまりカッコいい話ではないが、ビジネス的には賢明な選択であることは確かだ。

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