グリッドによるITのサービス化を視野に入れ、Sunが欧州にも遠隔管理のためのデータセンターを開設する。同社ではこの事業が大きく成長するとみており、アジア太平洋地域でも開設を検討している。
Sun Microsystemsでサービス事業を統括する責任者によると、同社は今後数カ月以内に顧客のシステムを遠隔地から管理するデータセンターを欧州に開設するという。また、同社はアジア太平洋地域、恐らく中国かインドにも同様の施設を設けることを検討している。
Sun Servicesを担当する執行副社長、ドン・グランサムによれば、今回の動きは2004年11月のSevenSpace買収を基盤とするものだという。SevenSpaceは、異種混在するITシステムやアプリケーションの遠隔地からの管理と監視を専門としていた。Sunは現在、バージニア州アシュバーンにある旧SevenSpaceのデータセンターにおいて100以上の顧客のデータセンターを監視し、遠隔地から管理している。
「数カ月以内にスコットランドのリンリスゴーに新たなデータセンターを開設する計画だ」とグランサム氏は話す。
いずれ同社はアジア太平洋地域にも遠隔監視のためのデータセンターを設置すると彼は付け加える。
「場所は未定だが、われわれは最近、それまで9つあった遠隔サポートのためのコールセンターをバンガロールと北京に集約した。これらの2カ所が候補地となるだろう」(グランサム氏)
グランサム氏によれば、欧州データセンターの成功しだいでは、12カ月から18カ月以内にインドか中国に同様の施設を開設するという。
Sunは、障害の発生を監視するというよりは事前予防的な監視へと同社のサポートオペレーションを移行させる中、マネージドサービスや予防的な保守サービスが力強く成長すると考えている。そして、同社が直面する課題は、伝統的なコールセンターアプローチではなく、遠隔地からのシステムサポートを遂行すべく、サポートスタッフらの再教育をすることだとグランサム氏は付け加えた。
グランサム氏によれぱ、最終的なゴールは、コンピュータグリッドからサービスとしてITを提供することだという。
「将来の企業のデーターセンターは、物理的な場所にとらわれない、仮想的なものになる」とグランサム氏。顧客らは既にこうした概念を受け入れ、いつどのように業界がグリッドへと向かうのかITベンダーらと議論していると彼は付け加える。
Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.