香港税関、海賊版DVD犯罪組織を摘発

香港で年間1150万枚以上の海賊版を生産していたとみられる容疑者18人が逮捕された。(IDG)

» 2005年08月12日 20時08分 公開
[IDG Japan]
IDG

 香港の税関当局は先週、映画・テレビゲーム海賊集団に対する手入れを行い、10万枚以上のディスクを押収した。この手入れについてMotion Picture Association(MPA)の関係者は8月11日、押収枚数はかなりのものだったが、アジアにおける今年最大の海賊集団摘発と呼ぶには程遠いと語った。

 香港当局によると、コードネームで「Glacier」と名付けられた作戦の下、香港税関局の特殊調査団が香港の10カ所で手入れを実施。DVD-R/CD-Rの書き込み装置を128台押収し、18人の男女が逮捕された。犯罪組織のメンバーを背後に持つ集団だったという。

 押収された書き込み装置は1日24時間稼働し、海賊版の映画、テレビゲーム、ソフトを年間1150万枚近く生産する能力があったとみられ、MPAによると年間およそ6750万香港ドルを稼いでいただろうという。この集団はディスクを3つの小売店で販売していた。

 「ディスク押収枚数という点で、アジアで今年最大の手入れだったとはまったくいえない」とMPA上級副社長でアジア太平洋支部ディレクターのマイク・エリス氏。

 MPAは中国の広州で先週、数カ所の倉庫への手入れに協力したが、ここでは100万枚近いディスクが押収されている。また5月には、香港での2件の捜索によって504台のDVD-R/CD-R書き込み装置が押収されたと同氏。

 MPAはソニーなど大手映画会社が加盟している団体。この手の捜索の押収物件が著作権を侵害していることを証明する作業、法廷で使われる証拠物件の提出などの面で当局に協力していると同氏は説明する。

 香港の手入れでは負傷者は出ていない。逮捕者は香港の著作権法に基づいて起訴される。同法では、商用の著作権侵害物を所持しているところを発見された者は何人であれ起訴されるとし、刑罰として4年以下の禁固刑と著作権侵害物1点につき5万香港ドル以下の罰金を定めている。

 MPAの推定では、アジア太平洋地域における知的財産の著作権侵害によってMPA会員が被っている売り上げ機会喪失の規模は年間8億9600万ドル以上。MPAの同地域での活動によって、昨年は4900万枚の不正な光ディスクが押収されたという。

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ