「実名」にこだわる韓流コミュニティーJOCOSOの狙い

mixiを代表とするSNSは、多くが匿名を基本としているが、おぼろげに人物特定できてしまうもの。そこをあえて実名基盤としたSNSサービス「JOCOSO」にはどのような狙いがあるのか?

» 2005年08月12日 22時07分 公開
[ITmedia]

 参加者が互いの友人のつながりを認識し、新たなコミュニティーを活性化させていくSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)。

 実名参加型のSNS「JOCOSO」(ジョーコソ)を提供しているNeoWiz Japan。同社は、韓国NeoWizの日本法人として2003年6月に設立され、2002年から海外事業部展開をしているネットワークコミュニティーの運営ベンダーだ。

8月19日にリニューアルを予定しているJOSOCOサービス

 ブログや掲示板、スケジュール管理機能も搭載するJOCOSOの特徴は、実名登録を基本としている無料サービスであり(2005年1月に開設)、参加者はリアルな世界と同じ関係をネットワーク上でも形成できること。日ごろ出会う機会が少ない場合でも、距離を感じさせないコミュニケーションを実現できるとしている。

 また同社では、匿名性のアバターコミュニティー「SayClub」も運営しており、このサービスは韓国で「ホムピ」としても知られている(ユーザー数は、約2千500万人)。

 韓国でのブログやSNSコミュニティーの歴史は比較的浅いもの、と同社は語る。2001年に非営利で開始された「WIK」はブログを中心としてコミュニティー活性をしていくキッカケとなり、現在では韓国のインターネットユーザーの60〜70%がブログやSNSのユーザーであるという。その中でも1300万以上のユーザー数を誇る「CyWorld」やブログサービスの「ミニホムピ」などが先導役となっている。

 このような背景で、なぜNeoWiz Japanが実名にこだわったJOCOSOを始めたのか? この点には「ある程度の期間でやり取りを絶ってしまう一時的なものにしたくなかったため。コミュニケーションを長く維持していくためには、実社会と同じような密接な基盤が必要」と語っている。

 匿名性で形成されたコミュニティーの場合、ある程度の活性化は期待できるものの、長期的な継続性を考えると課題が多いとの見解だ。


 匿名SNSユーザーであれば感じることだが、たとえ匿名であってもサービスの特性上おぼろげに人物特定はできるものだ。しかし、実名が基盤となれば、必要以上の詮索をせず誰もが人物を特定できる。このことは大きな意味を持つだろう。

 これまでにもSNSとは異なるものの、実名登録を基盤としているインターネット上のサービスは数多くあった。しかし、これらのサービスの多くは比較的従来までのスタティックな構造を保っているだけに、ブログやSNSなどのシステム基盤を採用しているものは希だ。この理由からもJOCOSOは、新たな次元を切り開いたサービスといえる。

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