EclipseがC/C++ツールをアップグレード

Eclipseは8月22日、C/C++開発ツールプラットフォーム「Eclipse C Development Toolkit(CDT)3.0」をリリースした。同バージョンでは拡張性とパフォーマンスが改善されている。(IDG)

» 2005年08月23日 13時58分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Eclipse Foundationは一般に、Java用のオープンソース開発ツールのプロバイダーとして知られているが、Microsoft系の技術も持っている。Eclipseは8月22日、C/C++開発ツールプラットフォームのアップグレード版をリリースした。

 同組織がリリースするのは、「Eclipse C Development Toolkit(CDT)3.0」というツール。バージョン3.0では、組み込みシステムやLinux環境で開発を行っている開発者向けに拡張性とパフォーマンスが改善されたという。

 Eclipseのマーケティングディレクター、アイアン・スカーレット氏は、「当組織の視点から見た場合、今回のバージョンの主要なメッセージは、Eclipseが常に複数の言語に対応してきたということだ。われわれはJavaツールを提供していることで知られているが、EclipseのC/C++開発ツールは組み込み分野およびLinux分野で広く利用されている」と話している。

 このEclipseプラットフォームは無償で、商用製品に独自の機能を追加したいと考えるベンダーに基本的な機能を提供する。しかしEvans Dataで最高執行責任者を務めるアナリストのジョン・アンドリュース氏によると、無償製品を提供しているEclipseは、有償製品のベンダーからビジネスを奪いつつあるという。

 「既にその段階に到達したと思う。Eclipseは商用製品を食い荒らし始めた」(アンドリュース氏)

 しかしForrester Researchのカール・ゼティー副社長によると、CDTをMicrosoftの商用製品であるVisual Studioツールプラットフォームと比較すべきではないという。

 「比較すること自体が間違いだ。後者は豊富な機能を備え、高度に統合された総合的なIDEだ。Team Systemも含まれており、開発ライフサイクル全体をサポートする。CDTの目標はそれとは異なる。C/C++開発環境の基盤を提供し、それ以外の機能は従来のプロバイダーやオープンソースプロバイダーに任せるというものだ。

 CDT 3.0での主要な改善点は以下の通り。

  • C/C++パーシングの高速化および検索精度の向上

  • DOMベースのバックエンドにより、プラグイン開発者がC/C++アウトライナーなどの機能を利用しやすくなった

  • インデクサ選択項目がプラグイン型コンポーネントになった。開発者は「索引付けなし」「CTagsユーティリティベースの索引付け」「CDTパーサーによる索引付け」などから選択できる

  • ビルドシステム構成の強化およびワークフロー機能の改善

  • 外部ビルドコマンドの起動時に環境変数を構成する機能

  • ツール統合機能のサポートの改善

 Intelによると、CDT 3.0では機能改善とIntel C++コンパイラの搭載により、きめ細かなコントロールと使い勝手の向上が実現されたという。

 CDT 3.0の開発で主導的な役割を果たしたのがQNX Softwareである。

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