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» 2005年09月12日 09時00分 UPDATE

LUGのボランティアがカトリーナの惨禍に見たもの (1/3)

大型ハリケーン「カトリーナ」の被害に遭った米ルイジアナ州ニューオーリンズ。ITだけでは解決できない現状が横たわる中、そこで活動する多数のボランティアは、何を見、何を考えたのか。

[Joe-Barr,japan.linux.com]

 この一帯の他の町と同様、Austin Linux Groupのボランティアたちも、カトリーナによる被災者支援に参加している。避難者たちは先週水曜日からオースティンに到着し始め、その週末にはオースティン・コンベンション・センターに数千人が、オースティン全体では5000人ほどが身を寄せた。

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 一方、カトリーナの被災者を支援しようというボランティアたちも、その直後から続々と詰めかけてきた。ただし、こうした大規模な半官僚的半ボランティア的活動には混乱が付きもので、これに対する不満が大きな障害になっている。ここコンベンション・センターでは、ボランティアは、何よりも忍耐と創意工夫が求められている。

 支援に向けてLUGメンバーが最初に思いついたのは、Public Webstationsプロジェクトに基づいてWebステーションを作ることだった。これについてはすでに先週報告した。メンバーは寄贈するマシンの組み立てに着手し、寄付を募り始めた。

 金曜日には、オースティンに本拠を置く大手ISP3社に電話をかけ、ダイアルアップ・サービスの提供を呼びかけた。各社の対応はまちまちで、2社からは返事がなかったが、OnRamp Accessは3カ月間有効のダイアルアップ・アカウントを10あまり提供してくれた。さらに、必要であればレイバー・デイを含む週末にも対応すると電話番号を教えてくれた。

 Webステーションはトニー・バーガー・センターに設置する計画だったが、ここには避難者がいないことがわかった。そこで、赤十字社に尋ねようと公開されている電話番号に電話をかけたが通じなかった。手を尽くしてやっとわかったのは、多数の生存者たちがオースティン・コンベンション・センター(ACC)に収容されており、ITに明るくデータ入力のできるボランティアが必要であることだった。

 ACCでの活動のとっかかりとして、LUGのメンバー数名がこのニーズに応じ活動を開始した。現場に入ってみると、すでに50台のコンピュータが設置され、非常に太い回線――T3――が引かれていた。われわれの寄与は、少なくともこの時点では、ごく些細なものだった。しかし、われわれにもできる貢献の方法がすぐに見つかった。

 赤十字社にボランティアとして登録したのだ。オレンジのリストバンドを渡され、ホール奥の部屋で作業の割り当てを受けるよう指示された。所在確認用データベースに避難者が登録する手伝いをする作業があったので、これを選び、コンベンション・センターのフロアに入った。

 片側の壁に沿って幅の狭い折りたたみ式のテーブルが並び、その上に35のモニターとキーボードとマウスがひしめきあっていた。狭いと言ったのは、モニターに奥行きがあるため、モニターの前にキーボードを置く十分な余裕がないからだ。モニターの前に座ればモニターが近すぎるし、それが嫌ならモニターの横に立つほかはない。その壁の反対側に当たる隣室にも15のステーションが同じように設置され、こちらはトリアージ・センターとして使われていた。

 データベースへの登録の仕方、Yahooの電子メール・アカウントの取得法、避難者の所在データを公開して家族や友人に生存しオースティンにいることを知らせる方法、電子メールを送る方法を、高校生が実演して見せてくれた。また、ほかの避難所にある同種のデータベースに登録されている生存者を検索する方法についても、詰め込まれた。

 すると、誰かがわたしの肩に手を触れ「すみませんが、祖母を捜したいのですが」と丁重に話しかける声がした。こうして時間が過ぎていったのだ。この最初の日、コンピュータの順番を待つ列が途切れることはなかった。支援が必要な人もそうでない人もいた。ボランティアは、人々の間を回って戸惑っている人を助けた。

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