SQL Server Express対抗、Oracleが10g無償版をリリース(1/2 ページ)

Oracleが開発者やISV、中小規模事業者をターゲットにした10g無償版をリリースした。無償のSQL Server ExpressやMySQLへ対抗し、ローエンド市場でのビジネスをテコ入れするのが狙いだ。(IDG)

» 2005年11月01日 11時16分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Oracleは、ローエンド市場で効果的な手を打つべく、年内に無償のデータベースをリリースする計画だ。

 10月末、同社は「Oracle Database 10g Express Edition」のβ版をリリースした。32ビットWindowsとLinuxで稼動する同データベースは、開発だけでなく制限付きながら本番稼動でも無償でダウンロードして使用できる。また、ISVが自社の製品に組み込んで無償で配布することもできるという。

 Oracleでは、開発や配備のために無償の「スターター(最初の)データベース」を提供することによって、新しいユーザーを獲得したいと考えている。同社はまた、開発者のほかに、ISV、教育者および学生もより多く引き付けたいとしている。

 本番稼動の使用には、データが4Gバイト、メモリが1Gバイト、そしてサーバごとに1プロセッサという制限があり、ISVが組み込む際にもこの条件が適用されるという。なお、サポートはオンラインフォーラムの形で提供される。

10gと同じコードベース

 幾つかのオプションが外されているものの、Oracle Database 10g Express Editionは、既存の10gデータベースと同じコードベースであり、アプリケーションは変更なしにハイエンドのデータベースで稼動させることができると話すのは、欧州・中東・アプリカ(EMEA)地域のテクノロジーマーケティングを担当するティム・ペイン副社長。

 同社では、ユーザーらに無償版を試してもらい、その後、データ管理の需要が無償版の制限容量を超えた場合には有償のOracle製品にアップグレードしてくれることを期待している。

 「これまでOracleを検討したことのない、ローエンドの要件がある顧客らはたくさんいる」とペイン氏。Oracleは最終版を年内に出荷する予定だという。

 アナリストらによると、OracleはライバルであるIBMに対してリレーショナルデータベース市場でリードしているものの、MicrosoftのSQL Serverは急速にその地歩築いている。また、MySQLのようなオープンソース製品にも勢いがある。

 Oracleは、特にMicrosoftに対抗すべく、新しい開発者を獲得し、ローエンドの企業データベース市場でのビジネスをテコ入れするために無償版をリリースしたとみるのは、ガートナーのディスティングィッシュトアナリスト、ドナルド・フェインバーグ副社長。

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