SQL Server Express対抗、Oracleが10g無償版をリリース(2/2 ページ)

» 2005年11月01日 11時16分 公開
[IDG Japan]
IDG
前のページへ 1|2       

 Microsoftは、最新版となるSQL Server 2005の出荷を控えており、同ファミリーにはローエンドの「SQL Server Express」も含まれている。SQL Server Expressは、10g Expressと同様、制限付きながら本番稼動での使用も無償となっている。

 「(今回の無償版投入によって)Oracleは、SQL Server Expressを検討している顧客らへのオルタナティブを持つことになる」とフェインバーグ氏。

ひたひたと迫るMySQL

 10g Expressは、MySQLからの潜在的な挑戦をかわすのも助けるだろう。MySQLは大きな脅威となっていないものの、Oracle向けにデータウェアハジングやマスターデータ管理のための製品を開発するKalidoの創設者兼チーフストラテジスト、アンディ・ヘイラー氏はリリースごとに改善されていると話す。

 10月下旬、MySQLはエンタープライズ市場に食い込むべく、トリガー、ビュー、そしてストアードプロシージャといった重要な機能を追加したアップグレードをリリースしたばかりだ。

 両者の大きな違いは、MySQLのソースコードは無償で、Oracleはそうでないということだ。開発者らはバグをメーリングリストで指摘し、問題に対処し、修正できることを望んでいるため、そうした点がMySQLのアドバンテージになるとヘイラー氏は話す。

 しかし、フェインバーグ氏の考え方は少し違っていて、ソースコードが入手できるからという理由でMySQLへ移行するユーザーは少ないとみる。「MySQLのための真のオープンソースコミュニティーはとても小さい。Linuxとは違う」とフェインバーグ氏。重要なことは、MySQLのデータベースには配備上の制限がないことだという。

 「Oracleには無償のスケーラブルバージョンがない。まもなく登場するMySQL 5では、幾つかのアプリケーションではかなりスケーラブルになるようだ」とフェインバーグ氏は話す。

 OracleもMySQLの普及を鈍化させるべく、策を講じた。同社は9月、Innobase OYというフィンランドのオープンソース会社を買収した。Innobaseは、MySQLが使用する最も人気のあるストレージエンジンを開発している。Oracleでは、InnobaseはMySQLとの協業を継続するとしているものの、MySQLへの信頼が増すことを妨害しようという意図が買収の背景にあるとみている者もいる。

 Oracleの無償版は、MySQLの潜在顧客らにFUD(fear, uncertainty and doubt)のマーケティング手法によって、MySQLへの移行を思いとどまらせる一歩かもしれない。

 「Oracle vs. MySQLのすべての問題に対処するFUDをOracleはさらに追加する」とフェインバーグはみる。

前のページへ 1|2       

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ