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» 2005年11月12日 00時00分 UPDATE

人生のやり直しが可能に? ライフログが紡ぐ未来 (1/2)

ブログの勢いはとどまるところを知らない。その一方、ブログの「次」を探る動きも盛り上がっている。ここでは人の行為をデジタル化して記録に残す「ライフログ」を取り上げよう。

[西尾泰三,ITmedia]

 ブログの勢いはとどまるところを知らない。ポッドキャストなどの新たな技術と融合することで、さらにユーザーを増やしている。

 一方、ブログの「次」を探る動きも盛り上がっている。その1つとして「ライフログ」を挙げることができる。その目標は、人の行為をデジタル化して記録に残すことにある。それを追体験することで、人間は過去を分析しながら行動できるようになる。

 ライフログの研究で有名なものとしては、MicrosoftのMyLifeBits Projectが挙げられる。同プロジェクトは、PCを使う際に起こり得るすべての電子的な動作を後からトレース可能にすることを目指している。記録対象およびその容量については、「1日に100通のメール、100ページのWebサイト、5ページの紙書類のスキャンデータ、10枚の画像、8時間の音声データ。それに10日に1冊の本と1枚の音楽CD」程度を想定しており、その容量は5年で80Gバイト程度になるという。

tn_lifelog.jpg MyLifeBits Projectで公開されているライフログアプリケーションのサンプル。将来Windowsにこうした機能が組み込まれるかもしれない(Microsoftのサイトより引用)

 また、米国国防総省の研究機関であるDARPA(Defense Advanced Research Projects Agency)も、2004年9月にライフログの研究を開始している(関連リンク)

ライフログの出力装置

 上記のMyLifeBits Projectでは、主に電子的なデータを記録対象としているが、ライフログとしてはそれだけでは不十分である。日常の行動を映像として広範に記録しておくことで、行動全般を後でトレース可能となる。

 映像として保存したライフログを追体験するための出力装置としては、バーチャル・リアリティ(VR)で使われる「CABIN」のような没入型多面ディスプレイを利用した可視化が極めて有効だろう。

 CABINは、立方体の部屋の内壁をスクリーンとして利用する。入り口を除いた5面(正面、右、左、上、下)にソフトスクリーンが配置され、背面投影で映像が表示される。スクリーンの大きさは1辺約2.5メートル程度。その部屋の内部に液晶シャッターゴーグルを装着した人間が入ると、スクリーンの映像は3次元画像として認識される。センサーが頭の位置を検出しているため、視点を移せばそれに応じた映像が表示される。CABINと似たような没入型システムとしてはクリスティ・デジタル・システムズの「HoloStage」などがある(関連記事参照)

 CABINでは、5面のスクリーンそれぞれが映像を映し出す。また、立体視するためには右目と左目用に2つの画像が必要になる。つまり、CABINでVRを再生するには、カメラ10台程度が必要となる。これを踏まえて、DVD画質で一生分のライフログを取得する場合、どの程度の容量になるのかを考えてみよう。

 1層のDVD1枚(4.7Gバイト)に比較的高画質の映像を保存しようとすると、だいたい2時間程度の録画ができる。10台のカメラの映像を記録するので、2時間で47Gバイト、1日(24時間)で564Gバイトとなる。一生を80年間(2万9200日、70万800時間)と仮定し、計算を単純化するためにうるう年を考慮に入れなければ、映像データの総量は約16.5ペタバイトとなる。ここで、1日8時間は睡眠時間と考え、その時間を除けば約11ペタバイトにまで減らすことができる。さらに、画質を落としたり、コーデックを変えたりすることで、その容量は1ペタバイト近くにまで減らせるだろうが、その場合、もはやVRとしての利用には耐えられないだろう。

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