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» 2005年11月21日 10時24分 UPDATE

OSDLが公開特許のオンライン情報センターを開設 (1/2)

OSDLは、公開特許の情報を集めたPatent Commonsサイトを開設した。ソフトウェア特許をめぐる錯雑に光を投げる手だてになるだろうか。

[Jay-Lyman,japan.linux.com]

 Red Hat、IBM、Sunなど、自社が保有する特許をオープンソースに対して公開する企業が相次いでいるのを受け、Open Source Development Labs(OSDL)は、このほど公開特許の情報を集めたPatent Commonsサイトを開設した(関連記事参照)。これにより、オープンソース・ソフトウェアの開発者やユーザーは、利用可能な特許の詳細を調べることができるようになった。

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 同サイトは、2005年8月に発表されたプロジェクトに基づいて、利用が許容された個々の特許および大規模な利用が可能な特許ポートフォリオに含まれる知的財産(IP)の情報およびその関連情報に関するセンターとして今月15日に開設された。

 また、同サイトは大企業が提供を約束したIPを調べる手段ともなるだろう。大手の技術企業はこれまで営々と特許を積み上げ収益を追求してきたため、その特許を公開しても、企業自体やコミュニティーにとってほとんど価値のないものを開示しただけと見られがちである。

 「何の価値もないがらくたを市場に出そうとしていると揶揄されました。しかし、これからはpatentcommons.orgサイトがあります。このサイトで特許を実際に調べ、どんな特許かを確認してから、善し悪しを言っていただきたいものです」。IBMが1月に500件の特許を公開したことに関連して、同社の知的財産および標準担当の副社長ジム・ストーリングス氏はこのように述べている。

公開特許の森の歩き方

 OSDLの法務担当ダイアン・ピータース氏によれば、同サイトは2つの部門から構成されている。すなわち、オープンソースでの利用が許容されている附番された特許と、より広範な特許ポートフォリオのオンライン・ライブラリと、利用にあたって開発者が必要とする情報である。後者には、公開されたIPの使用に関する解約条項を含む利用案内など、特許を利用する際の条件が並んでいる。一方、ライブラリは5つのデータベースから構成されている。すなわち、公開企業(現在は7社)のデータベース、公開企業が定めた方針・規程・約款のデータベース、特に指定された特許のデータベース、標準技術や特許ポートフォリオに関する特殊性の低い公開物件のデータベース、免責、オープンソース・ライセンス条項、標準団体のIPに関する権利とポリシーなど、サイト利用者に関わる法律関連情報のデータベースである。

 OSDLは、このサイトがすでに特許を公開している企業を超えて政府機関などにも広がることを期待している。さらに、大学にも参加を働きかけているが、大学は自身の改革と研究の維持だけで手一杯だと、ピータース氏は述べている。

 また、ピータース氏によると、このサイトはOSDLのカーネル開発者から歓迎されており、Red Hatが2002年に公開して以来増え続ける公開特許の情報センターとして位置づけられているという。

 「情報を収集して利用しやすい形で提供する情報センターを設置し、ユーザーや開発者が特許を調べ安心して利用できるようにする必要があると考えたのです」(ピータース氏)

 Red Hatの上級副社長Mark Webbink氏は、同社が特許を公開して以来、IBMやNokiaやNovellなど多くの企業が後に続き、Linuxなどのオープンソースに対して特許権の不適用を宣言したと述べた。

 Fedora Foundationや最近発表されたOpen Invention Networkにも触れつつ、「オープンソース・ソフトウェアが特許の恐れなしに開発できるようにしたいという思いは当社だけのことではありませんでした」とWebbink氏は述べている。Open Invention Networkは、IBM、Novell、Philips、Red Hat、ソニーが設立した企業で、入手した特許を、Linuxには自社の特許を適用しないと宣言した企業に無償でライセンスする。

 IBMのストーリングス氏は、Computer Associates、Ericsson、Intelなど、オープンソースに特許を提供する企業が続々と増える中、開発者がそれらを利用する上でPatent Commonsサイトは必要な存在だと言う。

「種類も形式もさまざまで目眩がするほどですから」(ストーリングス氏)

 OSDLのピータース氏は、このサイトの目的について、コミュニティーに提供される特許やIPが増えることで発生する問題を回避することを挙げた。

 「特許を公開する企業が増えており、そうした共有財産の利用が妨げられることのないように情報センターが必要だと判断しました」(ピータース氏)

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