日本SGIが開催中の「日本SGI ソリューション・キュービック・フォーラム2006」。展示会場では、これまで同社が発表してきたソリューションを目にすることができる。
11月29日から30日の2日間、日本SGIが開催する「日本SGI ソリューション・キュービック・フォーラム2006」。展示会場では、これまで同社が発表してきたソリューションを目にすることができる。
大きく展示スペースが取られていたのは、同社のユビキタス・マイクロサーバ「ViewRanger」関連のソリューション。先日紹介したクレーン作業現場の安全監視システム(関連記事参照)のほか、不法投棄などへの対策となる監視カメラソリューションも展示されていた。
ゼンリンの子会社、ジオ技術研究の高精細な3次元地図「Walkeye Map」をPC上で高速・高品位に表示させる3次元地図アプリケーション開発用キット「GEO-Element」もさまざまな広がりを見せている。
Walkeye Mapは、センサー、ハイビジョンビデオカメラ、デジタルカメラを搭載した専用車両で市街地を走り、景観、建物の画像情報、建物の形状情報、緯度経度情報を収集・計測して歩行者やドライバーの視点に立ったリアルな3次元デジタル地図を作成している。
GEO-ElementはこのWalkeye Mapを活用して各種のアプリケーションを開発するためのソフトウェア。2005年9月には、GIS(地理情報システム)ツールベンダーであるシーズ・ラボが持つ3次元可視化コンポーネント「GeoCompo」を組み合わせ、地形データ、航空写真、衛星画像を取り込む機能を追加するなど、機能強化を行っている(関連記事参照)
GEO-Elementを使ったアプリケーション開発例としては、先日、中央大学理工学部が電磁波伝搬シミュレーションのためのシステムなどを発表している(関連記事参照)ほか、この夏に全国ロードショーされた角川映画「妖怪大戦争」でも使われている(関連記事参照)。従来のように実際にヘリコプターを飛ばさなくても、上空からの映像を得ることができるなど、制作におけるコスト、時間の削減は計り知れない。
デジタルアーカイブのソリューションとしては、黒澤明監督の撮影した映画、撮影現場の写真、台本、幼少期からの約1200枚のプライベート写真など黒澤プロダクションが保有する大量の画像データを、歴史資料原典のデジタル化で実績を持つ龍谷大学がデジタル化する「黒澤デジタルアーカイブ」が展示されている。龍谷大学理工学部情報メディア学科の岡田至弘氏は講演の中で、「現在はまだ目録を作っているような段階」と話し、メタデータを使った情報の関連付けが今後の課題であるとしている。
このほか、創薬プロセスの中で、膨大な数の化学物候補の中からターゲットに適合するリガンドを効率的に探索するためのタンパク質立体構造予測ツール「PDFAMS」が展示されていた。PDFAMSシリーズは、インシリコサイエンス社が北里大学梅山秀明教授から技術移転を受けたプログラムを製品化したもので、日本SGIは販売、技術サポートを行う。
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