NetSuite、新プログラムでSalesforceを猛追(1/2 ページ)

オンデマンドERPおよびCRMを提供するNetSuiteは、新たな「NetFlex Applications Program」を発表、IT産業界の寵児となったSalesforce.comを激しく追い上げる。

» 2006年01月15日 22時38分 公開
[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 IT産業界の寵児となったSalesforce.comを、NetSuiteがさまざまな面で猛追している。

 オンデマンドERPおよびCRMを提供するカリフォルニア州サンマテオのNetSuiteは米国時間1月12日、新たな「NetFlex Applications Program」について発表した。これは、サードパーティーベンダーが同社の「NetFlex」開発プラットフォームを用いて、NetSuiteの情報を自社のアプリケーションに取り込むのを支援していくプログラムだ。

 同プログラムを利用すれば、NetSuiteとパートナーのアプリケーション間でデータをやり取りし、シームレスな相互運用性を実現することができる、とNetSuiteの製品マネジメント担当副社長であるミニ・ピーリス氏は話している。

 12日には、30社のパートナーがプログラムに参加したことも明らかにされた。これらのパートナー企業は現在、NetFlexを利用してNetSuiteを統合する、さまざまなアプリケーションを開発しているという。

 パートナーが属する産業分野は、小売りや携帯電話、顧客サポートセンター、給与計算、企業向けサービス、ヘルスケアなど、多岐に及んでいる。

 「Salesforceを全面的にしのぐ開発者向けの機能を提供していることが、われわれの強みだ。電話機能や課金などについても、Salesforceを上回ることを目指している」(ピーリス氏)

 一方Salesforceは、2005年9月に「AppExchange」サービスの運用を始めた。

先行するSalesforceとの違いは?

 AppExchangeは、パートナーや開発者がアプリケーションを交換・共有するためのオンラインコミュニティーだ。同サービスでは、Salesforceを統合するアプリケーションを新たに開発できる、開発者向けの「Appforce Integration」プラットフォームも提供される。

 NetSuiteのCEO、ザック・ネルソン氏は、NetFlexはAppExchangeと比較されることが多いが、両者には異なる点もあると述べている。

 「SalesforceがAppExchangeの運用を始めたころ、同社はMicrosoft型の開発環境を引き合いに出していた。今では、NetFlexとAppExchangeが互いに比べられるのが当たり前になっている」(ネルソン氏)

 「しかし、ユーザーが本当に望んでいるのは、NetFlexを利用して自社のアプリケーションを拡張することだ。NetSuiteのデータモデルを拡張するという点が、AppExchangeとの相違点だ。われわれは、われわれの総勘定元帳だけを使うようなお気に入りのマネジメントモジュールを作成するようユーザーに求めているわけではない」(ネルソン氏)

 NetFlexはむしろ、SAPタイプの開発環境に基づいており、ユーザーはNetSuiteの機能を抽出して、新たなアプリケーションや新たな垂直市場にこれを適用していくことが可能になる、とネルソン氏は話す。例えば、NetSuiteの基本的な買掛金勘定機能および受取勘定機能をヘルスケア分野などで利用したりすることができるという。

 NetSuiteは同社のアプリケーションを、CRMおよびERP、Eコマース機能を網羅する「One System」アーキテクチャーに基づいて設計している。

 そのためユーザーは、請求書発行やプロジェクト運営、課金スケジューリングや業務委託といったさまざまな機能を実現するのに、拡張コードを記述する必要がなくなる。

 さらにNetSuiteは、同アーキテクチャーを採用したことで、外部機能の統合を一本化できるとも述べている。

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