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» 2006年01月17日 08時50分 UPDATE

e文書法の活用術:スキャンした紙文書に改ざんはないといえる? (1/4)

企業の書類の電子化を促すとされるe文書法。「e文書法ガイドライン」とも呼ばれる報告書を基に、電子文書に求められる技術的な要件を見ていこう。

[佐藤慶浩,ITmedia]

 企業の書類の電子化を促すとされるe文書法。しかし、誤解して理解していると、思わぬ落とし穴に陥る可能性がある。今回はe文書法によるところの電子文書の技術的要件について、2004年に経済産業省の「文書の電磁的保存等に関する検討委員会」がまとめた報告書を中心に2回に分けてポイントを見ていきたい。

 この報告書は「e文書法ガイドライン」と呼ばれることがあるものの、民間企業に向けた政令によるガイドラインという公式な意味はない。ただ、電子文書の個別要件が府省庁によって今後定められる際の必要条件が示されており、間接的に企業に対する技術的な必要条件にもなってくる。前回も説明したとおり、これはあくまで必要条件であり、十分条件ではないので注意してほしい。

 筆者はこの検討委員会に委員として参加した。ここでは、検討したポイントについて、報告書として記載された本文よりもむしろ、行間を意識して解説していきたい。報告書に記載されていないことが、まさに十分条件のヒントだと考えるといいだろう。

文書の電磁的保存に関する4要件

 報告書では「文書の電磁的保存に関する4要件」として電子文書に関する特性を次のように整理している。

  • 見読性
  • 完全性
  • 機密性
  • 検索性

 報告書は、これら特性についての要件が示されている。報告書が定めたのは最低限の要件であり、これを満たしたからといって、その電子文書が、紙文書と同程度の有効性を必ずしも持つものではない。なぜなら、電子文書がここで定められたものより、どの程度の厳しい要件を満たす必要があるかは、その電子文書の用途によって個別に定められるからだ。今後も、すべての電子文書の十分条件を一律に定める法律もガイドラインも用意されることはないと思われるが、この要件を満たしていない電子文書は、少なくともe文書法によってそれが適正な電子文書として認められないことは確かである。

 この報告書を作成した検討委員の多くは、既に施行されている電子文書に関する個別法に適応するために、文書の電子化運用を整備してきた民間の専門家である。それら委員が集まり、電子文書で課題となった技術要件から文書個別の特殊性を排除して、すべての電子文書において共通となる必要条件を割り出している。特殊性を排除する方法として、「特性項目中に定めるレベルを低下させること」「特性項目そのものを省く」という2つの手法が取られている。これらの方法を意識して報告書を読めば、文書の用途に応じて定められる個別要件を導き出すことに役立つ。

 報告書に残された特性項目の中で、レベルを定めた部分を順に見てみよう。

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