マレーシア・コタキナバルで開かれている「StorageWorks.06」カンファレンス2日目の基調講演で、ストレージソフトウェア担当GMのフランク・ハービスト氏は、HPの描くILMソリューションを説明した。
マレーシア・コタキナバルで開かれているHewlett-Packard(HP)の「StorageWorks.06」カンファレンス2日目の基調講演では、ILM(情報ライフサイクル管理)をテーマに行われた。ストレージソフトウェア担当副社長兼ゼネラルマネジャーのフランク・ハービスト氏がILM戦略を説明した。同氏はHPの組織をまたがったILMソリューションを指揮している。
HPのILMソリューションが注力しているのは、企業内の情報をいかに管理するか、という点だ。これまでのILMはストレージのハードウェアコスト削減のなどストレージインフラの最適化という点ばかりにフォーカスされてきたが、今後は「いかに情報を管理するか」という方向に向かっていくという。情報やデータ、ストレージの爆発的な増大への対応は、現在でも企業がILMを推進する一番の理由となっているものの、ビジネスの環境はコンプライアンス(法令順守)による「情報のコントロール」や、資産として情報の活用による「情報のレバレッジ」を求めている。ILMは、ますますこれらのニーズに応えるものになっていくという。HPがILMはプロダクトではなく、ソリューションだと強調するのは、このような点にある。
「ILMにはプロダクト、人(ピープル)、ポリシー、プロセスのすべてが関係している。ILMは単にプロダクトを購入するものではなく、サービスと一体になったソリューションであることが重要だ」とハービスト氏。
このような考え方に基づき、HPでは階層化ストレージやデータ分析、データマイグレーション、アーカイビングなどソフトウェアプロダクトだけでなく、業界ニーズに基づいたILM戦略の立案から導入・サポートまでのサービスへも積極的に投資し、ILMのソリューション体系を整えている。
ILM戦略の中心となるカテゴリーに対しては、パートナーと連携した6つのソリューションセットを用意しており、業界ごとに異なる要求にも対応できるという。
また、ハービスト氏は、今後ストレージマネジメントとILMプロセスはますます融合するとも話す。そのためには、現在のようにバックアップやアーカイブなどといった異なる技術カテゴリーによるサイロを取り払い、情報を中心にした管理を可能にしてかなければならないという。同時に、受動的でマニュアルな管理からアクティブな管理に移行する必要もある。そのためには、システムの状況を分析し、監視の結果に基づいてインプリメントできるような管理の自動化の機能を持たせていく必要があるとした。
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