締め切り間近――「異分野」コミュニケーション支援策で飛躍する中堅企業強い中堅企業のIT化シナリオ(3/3 ページ)

» 2006年03月30日 08時00分 公開
[富永康信,ITmedia]
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地域やほかの企業の参考となる取り組みが採択の基準

 「現在、中小企業間の電子商取引を基幹業務にどのように取り入れていくかが大きな課題となっている。大企業の下請けとなる中小企業では、EDI化の推進はされるものの、系列企業群によってEDIがバラバラのため、管理が大きな負担となっている。この事業が、共通化を促進するための呼び水になれればと考えている」と話すのは、経営支援部経営支援課の柿町宣孝氏。

 補助の対象になるのは、原則として人件費、コンサルタント費、ソフトウェア購入費、ソフトウェア開発委託費、開発および実証に必要な機器の利用に掛かる費用、評価・検証に要する費用などで、補助率は上記の範囲内で「掛かった経費の2分の1以内」としている(表3)。

 また、電子タグを利用する上で必要なリーダー/ライターなどの購入費用も対象となる。ただし、導入検証以外で利用する電子タグ自体は補助の対象にはならない。

表3■中小企業戦略的IT化促進事業の補助

 当然ながら、この支援事業はツールやパッケージを導入しただけの単純なIT化などには認められない。これまでもモデル事業と謳ってきたように、地域やほかの企業の参考になるような取り組みであるかが採択の基準となる(表4)。

 企業には、ビジネスモデル開発のみならず、各経済産業局が主催する説明会などでも、取り組み事例の発表やほかの企業との交流など、成果の普及活動も大きな役割とされているからだ。

表4■経営革新支援事業の審査内容

 「この事業を利用するに当たって企業が注意すべき点は、補助を目当てに始めるのではなく、企業が自らITを使った経営革新が不可欠と理解した上で、その実現を目指す中でこの促進事業も活用できるというスタンスを持つこと。そうでなければ、半額とはいえせっかくの投資が失敗する可能性がある。事前に業務分析やプロジェクト体制などを積み上げ、ITコーディネーターなどの専門家の派遣を受けながら、どのようなIT化が必要なのか、どう改革していくべきなのかを探っていくことが重要になる」(柿町氏)

 この促進事業に関する相談や質問などは、中小企業庁の経営支援部の技術課で受け付けているという。また、各経済産業局でも問い合わせに対応している。今年度の申請は4月28日までと迫っているので、今まさに独自でIT化に取り組んでいる企業はぜひチャレンジしてみてはいかがだろうか。

 問い合わせ先は、新連携については、経済産業省 中小企業庁 経営経営支援部 経営支援課:03-3501-1763。中小企業戦略的IT化促進事業については、経済産業省 中小企業庁 経営経営支援部 技術課となっている。

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