Oracle DB 10g R2のセキュリティは本当に向上したのか?進化する!データベーステクノロジー(1/5 ページ)

 オラクルは、企業システムのミドルウェアプラットフォーム「Oracle Fusion Middleware」、ミドルウェア上で稼働する業務アプリケーション群「Oracle Applications」、そして運用管理基盤「Oracle Enterprise Manager」を統合したトータルな企業システム環境を提供しているが、Oracle Databaseは、それらのあらゆるアプリケーション、ミドルウェアのデータ基盤としての役割を果たしている。最新版の「Oracle Database 10g Release 2」では、可用性やパフォーマンス向上のためのグリッド機能、さらにはセキュリティや運用管理など、さまざまな機能強化が図られている。

» 2006年05月23日 07時00分 公開
[ITmedia]

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 国内で最も利用されている「Oracle Database」の最新版「Oracle Database 10g Release 2」(10g R2)は、オラクルが推進するグリッドコンピューティング技術を実現するために開発されたデータベースソフトウェアだ。スケールアウトにより拡張するグリッドコンピューティングは、企業システムを安価に安定運用するための技術であり、システム数を増やすほどダウンタイムが少ない堅牢なシステムになるという。

グリッド機能を強化し、可用性とパフォーマンスを向上

 最新版の10g R2では、多くの機能強化が図られた。パフォーマンスの面では、新しいソート技術の搭載により、問い合わせ、索引作成などのソート処理が大幅に高速化している。ソート作業の事前ロードにかかっていた負荷も削減された。

 可用性の面では、以前のバージョンより提供されてきたデータベースクラスタソフトウェア「Oracle Real Applications Clusters」の機能向上が図られている。ロードバランシング機能を改善し、クラスタ間の利用パターンの変更に対して、より高い性能で対応する。また、新しい「Oracle Data Guard」では、同期処理性能を向上するとともに、従来はフェイルオーバー動作時に管理者の操作が必要だったものを、待機系システムへのフェイルオーバーを自動化し、障害発生時に管理者の操作なしにフェイルオーバー動作が可能になった。また、フェイルオーバー後に元のプライマリデータベースが復旧すると、オブザーバはこれを新しい高速自動フェイルオーバーのスタンバイデータベースとして自動的に再構築する。これらの機能により、管理者の作業は大幅に減少する。

Oracle Data Guardによる自動フェイルオーバー

 また、これまではグリッド環境の構築を行う場合、グリッドを構成するサーバにOSからOracle Database、Oracle Apprication Serverなどのソフトウェアをインストールし、設定を行う必要があった。10g R2ではプロビジョニング機能により、すでに構築された環境をクローニングしてセットアップが可能になった。これにより、グリッド構築の手間を大幅に削減できる。このクローニングは、障害の発生したサーバの再インストールの際にも利用でき、障害発生時の復旧に役立つ。

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