ID管理のシステム構築はなぜ難しいのか今、見直されるアイデンティティ管理(3/3 ページ)

» 2006年06月15日 07時30分 公開
[ヤ嶋秀規、岡本孝,ITmedia]
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IDMの導入コストは高い?

 一般的にIDMシステム構築には、数千万円のコストが発生する。これまで紹介したIDM構築時の検討項目から、想像しているよりも多くの工数が掛かることが理解できると思う。

 ライセンス費用はユーザー数とともに理論上はリニアに上がるが、その他の導入コストであるコンサルティングや設計費用は、ユーザー数に比例するものではなく、連携対象システムの種類、数、機能に左右される場合が多い。したがって、導入費用を従来のIDのメンテナンス費用と比較すると、従業員数万人規模の大企業でもないかぎり割高になってしまう。数千人程度のユーザー規模では、IDM導入のROI(投資対効果)が低くなるためである。これが、数年前までIDMの導入が大企業に限られていた理由である。

 しかし、IDMの導入目的がIDのメンテナンスからコンプライアンスや内部統制へと変化していることで、数千人規模の企業でも導入に踏み切る企業が増えており、以前よりもIDMを検討する企業のすそ野が広がったといえよう。実際のところ、数年前ではIDMを導入する企業のユーザー規模が2万人程度であったのに対し、最近の構築案件での平均は4000人程度と小型化し、かつ案件数も大幅に伸びている。

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