Vistaで進化するデスクトップの集中管理――WindowsのTCO削減方法(3/4 ページ)

» 2006年07月10日 07時00分 公開
[Michael Cherry,Directions on Microsoft]
Directions on Microsoft 日本語版

条件
 Vistaのタスクスケジューラは、指定された条件に従ってタスクを制御できる。例えば、特定の時刻に、NLAによってネットワークが利用可能であることが認識された場合にのみプログラムを実行したり、起動時に、コンピュータがバッテリーで稼働していない場合にのみ特定の処理を実行したりといったことができる。

複数タスクの起動
 Vistaでは、複数のタスクを順番に実行できる。そのためには、1つのタスクで複数の処理を順次実行するか、あるいは、あるタスクによって開始されたイベントに基づいて別のタスクを起動することで、タスクを連結する。このようにタスクを順番に実行することで、次のような複雑なシナリオも実現できる。「週1回、コンピュータがバッテリーで稼働していない場合に、まずチェックディスク、次にディスククリーンアップを行い、さらに一部のファイルを圧縮し、最後にそのファイルをネットワークファイルサーバに戻す」

セキュリティ
 Vistaのタスクスケジューラの各タスクセットは、それぞれ固有のセキュリティコンテキストで実行され、別々のセッションで開始される。異なるユーザーのために実行されるタスクはそれぞれ別のセッションで起動され、相互に完全に隔離されるとともに、システムコンテキストで動作するタスクとも完全に隔離される。これにより、攻撃者が、スケジュールされたタスクで動作する実行可能ファイルを不正に操作し、システムを乗っ取る恐れが少なくなる。

イベントビューアでログ監視の強化

 イベントビューアは、ユーザーや管理者がイベントログを監視できるようにするMicrosoft管理コンソール(MMC)スナップインだ。Vistaのイベントビューアでは、ログ間クエリや再利用可能なビューがサポートされるため、ログが監視しやすくなる。

ログ間クエリ
 Vistaのイベントビューアはログ間クエリをサポートする。このため、システムログやアプリケーションログなど複数のログファイルから、1つの問題に関連する可能性のあるすべてのイベントのビューを生成しやすくなる。例えば、1時間以内に発生したシステム、アプリケーション、セキュリティの各ログの重要なイベントを、すべて表示するビューを作成するといったことが可能だ。

再利用可能なビュー
 トラブルシューティングのためにイベントログの重要なイベントを見つけることは、干し草の山から針を見つけるような作業になる場合がある。Vistaのイベントビューアは再利用可能なビューをサポートするため、管理者は、イベントをソートやフィルタリングにかけて特定のビューをいったん作成したら、そのビューを保存して、後で使ったり、ほかのコンピュータに移してそのイベントデータを同様にチェックしたりできる。

 Vistaのイベントログでは、ドキュメントが整備されているXML形式が採用されるため、ログを解釈する外部監視ツールが開発しやすくなるかもしれない。ただし、XML形式自体はイベントレコードの内容を改善するわけではない。イベントレコードには、問題に関する有意義な、あるいは即効性のある情報が欠けていることが多い。

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