「このソフト、パッチが当たらないよ!」女性システム管理者の憂鬱(2/4 ページ)

» 2006年07月11日 08時30分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

落ち着いたはずのSQL Slammer

 それでもしぶとくパケットを出し続けている2台の端末があった。当然のごとく監視チームから見とがめられた。大勢の中の一部であれば目立たなかったが、ほかが落ち着き始めた状況では、その2台の勢いは目を引いた。1台の該当マシンはグループ会社の知人が管理するものと判明し、わたしが連絡をとることになった。

わたし:「バックアップソフトのXXXXXXかSQL Server 2000を導入されていると思いますが、修正プログラムをインストールしてもらえませんか?」

グループ会社システム管理者:「それが、イントラにアップされている修正プログラムを実行しても適用できない」

 半信半疑で、同じビルの別フロアにあったグループ会社のサーバ室を訪ね、自ら持参した修正プログラムを実行してみた。しかし「このコンピュータには、修正プログラムをインストールするための製品がインストールされていません」。そんなメッセージが表示されるだけだ。念のために再起動をしてもう一度試してみたが、結果は変わらない。

 運用チームに戻ってみると、ネットワーク担当はやはり該当のPCから依然として大量のパケットが出ていると言う。そのマシンがネットワークにつながっていないときは、ウイルスパケットが収まっている。このことからも、そのマシンがウイルスに感染していることは疑いようもない。グループ会社の管理者に報告すると「もうどうせ使ってないソフトだからアンインストールする」と言う。管理者からMSDEのアンインストール完了の報告を受けたのと同時に、例の大量パケットは、うそのように止んだ。

 さらに、もう1台の疑惑のマシンの管理者からも、修正プログラムをインストールしようとしても適用できない、というメッセージが表示されるとの報告があった。仕方がないので、やはりMSDEをアンインストールしたという。実際に適用できなかった場面を目撃したわたしはキツネにつままれたような気分だったが、何とか不正パケットが収まったという安堵感を抱きながら、終電で帰途につくことができた。

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