Firefox 2.0β版のレビューFirefox Hacks(1/2 ページ)

Firefox 2.0の最初のβ版が公式にリリースされた。いてもたってもいられなくなり、どんな素晴らしい新機能が加わったかを確認するためにさっそく使ってみた。

» 2006年07月20日 10時00分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 7月12日、Firefox 2.0の最初のβ版が公式にリリースされた。いてもたってもいられなくなり、どんな素晴らしい新機能が加わったかを確認するためにさっそく使ってみた。たっぷり時間をかけてベータ1を試した結果、Firefox 2.0にはユーザーをアップグレードに誘う要因が数多くあることが分かった。

 このβ版のテストは、Ubuntu Linux 6.06(Dapper Drake)がインストールされた2台のマシンで行った。1台目はまったく新しいプロファイルで動作を確認するために自分のmozillaディレクトリの移行を行い、2台目は自分のプロファイルを残したままにした。Firefox 2 ベータ1を動作させるつもりなら、万一に備えて、使っている~/mozillaディレクトリのバックアップを取っておくとよい。そうしておけば、Firefox 1.5シリーズに戻す場合にプロファイルの破壊を防ぐことができる。

 Firefox 2.0β版は、バージョン1.5のプロファイルを正常にインポートできた。また、プロファイルを初期化したマシンで最初にこのβ版を起動した際には、Operaのプロファイルからのブックマークおよび設定のインポートも行えた。既存のプロファイルを残しておいたマシンでは、すでにインストールしていた拡張機能のすべてがFirefox 2.0ベータによってチェックされ、それぞれについてアップデート版の検索が行われて(1つも見つからなかった)、Firefox 2.0と互換性がないとみなされた拡張機能は無効化された。

新しい機能

 Firefox 2.0では拡張機能とテーマの扱い方が簡素化されており、テーマおよび拡張機能のための独立したマネジャーではなく、各種の「アドオン」が存在する。それ自体は1.5.xシリーズからの大きな変更ではなく、ブラウザのテーマを変えるだけでもブラウザの再起動が必要なのは以前と同じだ。ただし、新しい拡張機能やテーマをインストールして再起動しても、Firefoxはその前のセッションを「記憶」していて、そのときに開いていたページとタブのすべてを再び開いてくれる。この機能はFirefoxが異常終了した場合でも働くことになっているが、私がテストした範囲では異常終了は起こらなかった。

 意図に反してタブを閉じてしまった場合にも、この新しい「Recently Closed Tabs(最近閉じたタブ)」の機能のありがたさが実感できるだろう。閉じられたタブはFirefoxに記録されているため、再び開くことが可能だ。この機能は、新しい「History」メニューの中に存在する(以前は「Go」メニュー中に「History」があった)。

 今回はタブ用のボタンとして「タブを閉じる」ためのボタンがデフォルトで用意されており、それぞれのタブ上の赤い×印をクリックするだけでタブを閉じることができる。これらが見慣れた機能に思えるとしたら、同等の拡張機能がすでに提供されていたからであって、ブラウザ本体にデフォルトでそうした機能があったわけではない。

 幾つかの新しいフィードリーダ機能も存在する。オレンジ色のRSSボタンをクリックすると、サイトのフィードのプレビューページが表示され、 Firefox Live Bookmarks、Bloglines、Google Reader、またはMy Yahoo!を使ってフィードを購読できる。Firefoxが外部のサービスと統合されている点を私はとても気に入っているが、やがてMozilla愛好家たちがさらにオプションを追加してくれることを期待している。

 検索ボックスにも少し変更が加えられている。検索キーワードの入力を始めると、想定される候補の一覧が表示されるのだ。例えば、Yahoo!の検索ボックスに“sha”と入力すると、“radio shack”、“shakira”、“maria sharapova”やそのほか幾つかの候補を含むドロップダウンリストが表示される。この入力補完は検索エンジンごとに異なり、検索エンジンの場合はAnswers.com、Google、Yahoo!の各検索ボックスでしか提案機能が使えない。WikipediaやAmazon.com、または Creative Commonsの検索オプションでは、入力候補がまったく表示されない。

 フィッシング対策機能は、まだ完全とはいえない。自分のスパム用フォルダから、これまでに受け取ったeBayやPayPal、それに銀行の各スキャムの一部を選んで試してみた。よくあるURLではなくIPアドレスで指定されたリンクが存在する場合、フィッシングに対する警告が表示されたが、「PayPalのアカウント情報を更新するにはここをクリックしてください」という表示が出てhttp://rrcs-24-136-127-57.nyc.biz.rr.com:81/us/にジャンプしようとした場合には警告が出なかた。FirefoxによるフィッシングURLの検出精度は約20%といったところで、風変わりなURLの幾つかは見過ごされた。ただし、Firefoxプロジェクトによると、これは想定の範囲内であり、Firefox 2の今後のバージョンではフィッシングサイトの検出精度がもっと向上するという。

 今回のβ版にはフィッシングサイトを報告する機能も用意されており、ただ「Help」、「Report Phishing Website」を順にクリックするだけでよい。「Help」メニューがこの機能の場所として妥当かどうかは分からないが、とにかくそこにある。フィッシングサイトの報告を行うと、その内容はGoogleセーフブラウジングチームに伝えられるので、Googleツールバーの「フィッシング検出」機能が Firefoxに直接組み込まれているか、あるいはFirefoxチームがGoogleのAPIを利用しているかのどちらかだと思われる。

 また、いずれにしても、Firefoxは新しいフィッシング手法にはまったく対応できない可能性がある。フィッシングのメッセージを探していると、まったくリンクがなく、ただ電話番号だけが記されたものが2つ見つかった。その電話の向こう側にはおそらく世間知らずのユーザーを騙そうとオペレータが待ち構えているのだろう。やはり、Firefoxだけに頼ることなく、ユーザーは一定の常識を身に付けておかなければならない。

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