MS、Symantecからセキュリティのエースを引き抜き

McAfeeやSymantecでウイルス対策に携わっていたビンセント・ガロット氏がMicrosoftのセキュリティ研究対策チームに加わる。

» 2006年08月17日 14時31分 公開
[Ryan Naraine,eWEEK]
eWEEK

 ベテランウイルスハンターのビンセント・“ビニー”・ガロット氏が、Microsoftのセキュリティ研究対策チームの責任者に就任した。この動きは同社のインターネットセキュリティ市場への取り組みの信頼性をすぐに高めるものだ。

 McAfeeとSymantecでウイルス対策のエースだったガロット氏は、マルウェアの研究と対策を全面的に扱うMicrosoftセキュリティ研究対策チームのジェネラルマネジャーになる。

 同チームは、10年前からセキュリティインシデント対応や脆弱性の警告を担当しているMSRC(Microsoftセキュリティ対策センター)とは異なる。

 Microsoftはガロット氏の雇用についてあまり明らかにしていない。同社の広報担当者はeWEEKに送った発表文の中で、「ビンセント・ガロットがセキュリティ研究対策ジェネラルマネジャーとしてMicrosoftに加わるのは喜ばしく、新たな役割を担う彼とともに働くことを楽しみにしている」と述べている。

 Microsoftが喜ぶ理由はたくさんある。まず、MicrosoftがSymantecのコンシューマー向けセキュリティツールに対抗する「Windows OneCare」ユーティリティを積極的に推進している時に、ガロット氏をSymantecから引き離すというのは大きな成功だ。

 ウイルス対策企業は通常、応答時間――誰が最初にウイルスを発見し、どれだけ早くユーザーにシグネチャを配布するか――を競っており、ウイルス対策研究所にいたガロット氏の専門知識は大きな資産になる。

 同氏はMcAfeeにいたことで最もよく知られている。McAfeeではAVERT(ウイルス対策および脆弱性緊急対応チーム)の研究責任者を務めていた。

 同氏はMcAfeeで、日常的な業務と、5大陸に研究事務所を持つAVERT Labsの戦略的指導に携わっていた。同氏の指導の下、AVERTは最初のワイヤレスウイルス「Phage」を発見した実績を持つ。

 「ガロット氏はMicrosoftにとって大いに助けになるだろう」とExploit Prevention LabsのCTO(最高技術責任者)ロジャー・トンプソン氏は語る。「同氏が役に立つのは、(業界の)皆を知っているからだ」

 トンプソン氏は、ウイルス対策業界は全般的に外部の者を信用しない閉鎖的なセクターだと表する。同氏はガロット氏と同世代で、PestPatrolを設立してCA(旧称Computer Associates)に売却した後、Exploit Prevention Labsを立ち上げた。

 「この業界でやっていることのほとんどは、人的な信頼を基盤としている。Microsoftのウイルス対策担当者はみんな新入り、つまり外部者だ。ビニー(ガロット氏)は内部者として扱われるだろう」

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