ブログ・SNSの広告効果は高いのか?

オプトとクロス・マーケティングは、全国15歳以上の男女300名を対象に行った「ブログ・SNS利用状況」インターネット調査の結果を発表した。その結果から見えたものは?

» 2006年08月30日 07時53分 公開
[森川拓男,ITmedia]

 オプトとクロス・マーケティングは8月28日、全国15歳以上の男女300名を対象に実施した「ブログ・SNS利用状況」の調査結果を発表した。7月4日〜7日にかけてインターネットを通じて行ったものであり、調査対象は全国15歳以上のブログとSNS双方を利用している男女300名となっている。

 ブログを閲覧する目的は何かという設問(複数回答)に対しては、「趣味や娯楽の情報を得るため」が79.7%、「知人、友人との情報交換のため」が63%と多く、「暇つぶし、空き時間になんとなく閲覧するため」が55.3%と続いた。

 過半数はここまでで、以下、「生活に必要な情報を得るため(30%)」「ビジネスに関わる情報を得るため(22.3%)」と続くが、「ブログ開設者に関する情報を得るため」も20%を占めている。単なる情報収集から、ブロガーそのものへの興味も生んでいるのがうかがえる。逆に「リンク(トラックバック)を貼るブログを探すため」は、5.7%と低かった。トラックバックするためにブログを見るのではなく、ブログを閲覧していてトラックバックするブロガーが多いことを表しているのかもしれない。

 ブログやSNSの書き込みに対する信憑性に関する設問では、ブログでは「あると思う」が17%、「ややあると思う」が66.7%、SNSでは「あると思う」が16.3%、「ややあると思う」が73.1%と、それぞれ合わせるとブログが83.7%、SNSが89.4%となっており、ともに信憑性が高いという結果が出た。

 この理由としては(複数回答)、「知り合いの人のブログだから」が55.4%と過半数を越えているのが特徴だ。以下、「ブログの内容が詳しいから(39.4%)」「評判の高いブログだから(27.9%)」「多くの人に閲覧されているから(27.5%)」「更新頻度が多いから(25.5%)」などと続き、他人からの評判にも影響されているのが見てとれる。

 さらにコメントやトラックバックを利用するかという問いに対しては、ブログでは「よく利用する」が29%、「たまに利用する」が41%で合わせて70%、SNSでは「よく利用する」が33%、「たまに利用する」が37%と、こちらも合わせて70%という結果となっている。「利用したことはない」がそれぞれ11%と12%なのに比べ、ほとんどのユーザーがコメントやトラックバックを利用していることが分かる。

 この調査において最大の注目点は、商品や広告に対する設問だ。

 まず、商品についての行動で、どのメディアを利用するかを複数回答で問いかけている。行動は、「商品を知る」「商品の内容を理解する」「商品を購入後、その商品について誰かに伝える」の3パターン。メディアは「TV」「雑誌」「新聞」「ラジオ」「ネット広告」「ブログ」「SNS」「それ以外」の8種類になっている。

 「商品を知る」では、「TV」が72%とダントツトップ。次いで「ネット広告」が58%、「雑誌」が58%と高い割合を占めている。「ブログ」は37%、「SNS」は24.7%とそれほど高くはない。

 「商品の内容を理解する」では、「ネット広告」の46.7%、「雑誌」の45.3%が比較的多くなっている。「ブログ」は30.7%、「SNS」は21.3%であり、「商品を知る」よりも割合が低くなっているのだ。

 しかし、「商品を購入後、その商品について誰かに伝える」では、「ブログ」が64%、「SNS」が54%と目立って多くなっている。

 ブログで商品の情報を知る場合はブログやSNS以外のメディアが使われるが、利用後のリポートとしてはブログ・SNSを積極的に活用していることが分かる。逆に考えれば、利用した結果をブログに書いても、ブログからそのような情報を得ている人は少ないということになり、そのバランスが今後どのようになっていくかが、企業がブログマーケティングを行う際の注目点となるだろう。

 調査では最後に、ブログやSNSに掲載されている広告をクリックしたことがあるかどうかが問われ、「よく クリックしている」「たまにクリックしている」「広告は見るが、クリックはたまにする」が合わせてブログで48.7%、SNSで41.3%と半数近くを占めた。ブログとSNSとで比較すると、SNSのほうが「広告自体、ほとんど見ない」の率が、ブログが14%なのに対して22%と高いことが分かる。

 広告を配信している企業としては、まずはクリックしてもらうことが重要視されるのであり、今後、どのようにクリック率を上げていくのかが鍵となるかもしれない。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ