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» 2006年09月05日 08時00分 UPDATE

ブラジルのIT事情と世界最大級のFirebird開発者イベント:日本の裏側で熱く燃えるオープンソースデータベースFirebird (1/2)

それはわたしの下へと届いた一通のメールから始まった。日本の裏側で開催される世界最大級のFirebird開発者イベントの開催を告げるそのメールは、身をもってFirebirdの最新動向を体感できるまたとない機会だった。

[木村明治,ITmedia]

Firebird Developers Day イン・ブラジル

 それは今年のゴールデンウィークが終わったころに届いた、一通のメールから始まった。送り主は昨年チェコで開催された「Firebird Worldwide Conference」で知り合ったブラジル人のルイーズからだった。

 その内容は、「興味があるなら、今度ブラジルで7月末に行うイベントを見に来ないか?」というもの。そのイベントはFirebird Developers Dayという。

 Firebirdをご存じない方や、「あぁ、Webブラウザでしょ」という方のためにここで簡単に説明すると、Firebirdは、Bolandが販売しているInterBaseから派生したオープンソースのデータベースである。日本では、オープンソースのデータベースといえばPostgreSQL対MySQLの様相だが、ワールドワイドでは、MySQL対Firebirdの調査結果があるくらい人気があるデータベースだ。

 昨年行われたFirebird Worldwide Conferenceでは、その参加人員、参加国の多さとセッションの濃密さに度肝を抜かれたわたしであったが、今回のブラジルでのイベントはなんと、参加者人数規模で600人が集まるという。まさに世界最大のFirebirdイベントだ。そんな熱いイベントを肌で感じたくなったわたしは、すぐにルイーズに参加を伝えるメールを返信した。

 ブラジルといえばサッカーが有名だが、BRICs(ブラジル、ロシア、インド、中国)の一国として、今後の躍進が大きく期待される国だ。ご存じのとうり地球の上では、日本の真逆に位置し、日本が夏なら冬、昼なら夜となる。日本からの直行便はなく、通常北米経由で、片道26時間前後(トランジット含む)かかる。公用語はブラジル/ポルトガル語。電源は110V-60Hzで、日本の電化製品の多くがそのまま使え、インターネットのインフラも結構整備されているという。

DSC00287.jpg

 イベントが行われるサンパウロ州は、ちょうどそのころ、警察とマフィアの抗争があり、治安が悪化しているとのことだった。心配して詳しく聞くと、サンパウロ市は治安が悪いが、会場のピラシカバという街はサンパウロ市から車で2時間はなれた田舎なのでサンパウロ市で注意していれば大丈夫、とのことだった。

奇妙な「ニッポン」が同居するブラジル

 空港に降り立ったとき、気温は30度。ブラジルは冬のはずだが、異常気象のため、こんな気温とのこと。まったくの夏だ。バスでサンパウロ入りする。今回ブラジルで最初に同行したのは、わたしと同じようにブラジルから遠く離れたロシアからやって来たアレクセイだ。彼はInterBase/Firebirdのトラブルシュートのためのツールを開発している会社(IBSurgeon)を運営している。

DSC00332.jpg イベント主催者のカルロス氏

 「何で英語が通じないんだ」と、ややヒステリックに彼が叫ぶ。そう、ブラジルではほとんどの場所で英語が通じない。通じるのはブラジル/ポルトガル語かスペイン語だ。

 ただサンパウロは日本人にとっては、それほど居心地が悪い都市ではない。日本でもコーヒーで有名なサントスからブラジルに上陸した日系移民が根付き、今や35万人もの日系人が暮らしている。路上では「YAKISOBA」の手書き看板を掲げた屋台が焼きそばを売っている(ただし、味付けは中華っぽい)し、道を歩いているとわたしですら道を聞かれる(道もポルトガル語も分からないのだが)。「ナオン・エンテンド(分かりません)」という覚えたてのポルトガル語で答えてその場を去る。

 夜には今回のイベントの主催者カルロスが車で迎えにきてくれた。ブラジル人はよく食べ、よくしゃべる。「メイジ、調子が悪いのか?」。自分としては普通だと思うのだが、どうやら無口と思われるらしい。夕食はシェラスコ料理(現地の人はシュハスコと発音する)は、わんこそばのように、次から次へといろいろな部位の肉がやってくる。肉料理以外はバイキング形式になっていて「KANIKAMA」ことカニカマボコがなんの味付けもなく鎮座している……。

DSC00333.jpg カニカマボコ。氷の上で冷えているのがせめてもの救いか

 「明日のイベントはブラジル中から、Firebird開発者が集まってくるんだ」とカルロスは興奮気味に話した。「とにかくびっくりするよ。人、人、人、みんながFirebirdを仕事に使っていて、そして情報を得たくて、飛行機や車を乗り継いでイベント会場にやってくるんだ」

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