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» 2006年09月11日 08時00分 UPDATE

地図情報がビジネスチャンスを見つけ出す! 第3回:多様な提供形態をとる空間情報システム――東京ガス・エンジニアリング

地図情報の王道であるGISを切り口に、先進的なベンダーの戦略を紹介しながら、現在と今後の地図情報の活用のあり方を見ていく。今回はGISの機能を提供できるWebサービス『GeOAP』を展開する東京ガス・エンジニアリングのサービス内容を紹介する。

[ロビンソン,ITmedia]

 東京ガスの100%子会社である東京ガス・エンジニアリングは、1970年代に東京ガスが日本で初めて実用化されたGIS を資産として受け継ぎ、2004年4月から『GeOAP(ジオープ)』のサービスを開始した。

 これは、Webサービスの標準プロトコルであるSOAP/XMLを利用し、マイクロソフトの.NETで実装を行った、GISの機能を提供できるWebサービス。データ配信およびGIS機能を部品化した100以上もあるメソッドを開放することで、顧客が必要なものだけを必要なときに使ってもらえる仕組みとした。

 主な特徴としては、地理的数値結果(文字情報)のみを取得できるため、通信負荷が大幅に低減し、高速処理が可能となっている。さらにWebサービスのため、他のポータルやEC(電子商取引)などの他のASPとの連携も容易だ。マイクロソフトのExcelなどに入力された住所をキーにして、数千、数万レコードの最寄り駅検索や距離計算なども高速にバッチ処理ができる。もちろん、地図が必要であれば、地図表示も可能だ。

 例えば、新住所から最寄り駅までの経路距離を算出してバス定期券支給対象者を抽出する利用例では、人事異動による通勤定期の該当者をExcelなどで選別できるシステムをつくることができる。また、昨年秋からはマクドナルドの店舗検索でも利用され、住所と条件(朝マックやプレイランドの有無など)から探し出せる機能を持たせた。さらに今年からは、セールスフォース・ドットコムのWebサービスであるアップエクスチェンジでも利用されている。地図を活用したルートセールスのスケジューリングのほか、ドアツードアの経路検索サービスも利用できる。取引先の情報が自動的にセールスフォースで管理され、そのデータをそのまま使えるところが強みだ。

 「日常生活のサービスに、GISの機能を利用されるニーズが高まっている」と語るのは、同社の開発営業部でマッピンググループのサポートを担当する伊藤英治氏だ。「従来のGISの機能を拡張したり追加したりするのでは、時代のスピードに耐えられません。さりとて、エンジンを改造するには莫大な費用がかかる。それに対する1つの答えが、Webサービスで提供することでした」

fig3-1.jpg GeOAP サンプル画像イメージ(テキストGIS機能)―住所から最寄駅とその経路距離を一括処理でリストアップしている例

 また、開発営業部のマッピンググループで統括部長を務める川野孝平氏は、「これまでGISを必要とする企業や自治体では、自社で空間情報を構築し、専任の担当を置いてシステムを構築し運用してきました。こういった形とは異なり、自前の空間情報を必要とせず、専任も置かない一般のユーザーがGeOAPに注目しているようです」と話す。

 なお、同社ではまもなくGeOAPの新バージョンをリリースする予定。地図のポイント情報が完全に空間データベース化へ移行され、HTMLやWord文書から住所文字列を探し出して抽出する機能を盛り込むという。

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