日本ネットワークジェネラルは統合管理ツールの新製品「Network Intelligence Suite」を発表するとともに、APIを公開していく新たな戦略を明らかにした。
「単なるネットワークアナライザではなく、さまざまなエンタープライズソリューションを提供していきたい」(日本ネットワークジェネラル代表の諸橋隆也氏)
日本ネットワークジェネラルは9月12日、統合管理ツールの新製品「Network Intelligence Suite」を発表するとともに、ノード(システム)管理やセキュリティ、アプリケーションといった分野にも手を広げていく方針を明らかにした。ネットワーク解析ツール「Sniffer」で知られる同社だが、「APIを公開し、オープンにすることで、どんどんソリューションの幅を広げていきたい」(諸橋氏)という。
その軸として発表した戦略が「networkDNA」だ。Snifferはもちろん、オープンAPIを通じてサードパーティ製のネットワークプローブやsFlow/NetFlow対応のスイッチなど幅広いソースからネットワーク上のトラフィック情報を収集。分類や分析を加えた上で、「PMDB」(パフォーマンス管理データベース)と称するレポジトリに集約して提供するという構想だ。
さらに、ITILの中で重要な役割を果たす「CMDB」(Configuration Management Database」との連携も視野に入れている。
「設定管理情報を集約するCMDBとPMDBが連携することにより、資産に関連する情報とネットワークに関するリアルタイムの情報の両方を参照できる、連動した(Federatedな)環境を実現していく」(米Network Generalのソリューション・マーケティング担当ディレクター、スティーブ・バレンタイン氏)
「CMDBに欠けていた、パフォーマンスに関するリアルタイムの情報を参照することができる」とバレンタイン氏は述べ、すでにHPおよびBMC Softwareがパートナーとなり、データソースの中からどのような情報をポインタとして参照するべきかといった事柄を検討しているとした。
networkDNAのもたらすメリットは、ITサービスのパフォーマンスの可視化を高いレベルで実現できることだ。「アプリケーション側から見るとネットワークはただの『パイプ』にしか見えないが、実はその中には『Truth』が含まれている」(諸橋氏)。ノードごとの管理情報にトラフィックの情報を突き合わせることで、ITサービスを可視化し、企業のビジネスに与える影響を把握できるようにしていくという。
「これまでのマネージメントは、『頭が痛い』『おなかが痛い』といった目に見える症状を診断していた。われわれが提唱するのは、『改めて血液検査をしてみませんか』ということ」(諸橋氏)
なお、同時に発表された新製品のNetwork Intelligence Suiteは、Snifferおよび「Sniffer Application Intelligence」の上に、SNMP/WMIに対応したシステム監視ツール「NetVigil」とレポート/可視化ツール「Visualizer」を統合したもの。9月22日に英語版をリリースし、日本語版は2007年半ば以降となる見込みだ。ネットワークジェネラルではこのスイートを基盤に、VoIPや仮想環境、サービスレベルといった切り口ごとに機能を展開していく計画という。
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