BPMのパイオニア、Fuegoの資産を受け継ぐBEAInterview(1/4 ページ)

BEAは、SOA実現に向けて、統合されたサービスプラットフォームとしてAquaLogicファミリーを売り込んでいる。その重要なコンポーネントの1つである旧FuegoのBPM製品が、いよいよ10月、初の日本語版として投入される。

» 2006年09月25日 07時30分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 BEA Systemsは、「Business Liquid-IT-y」のビジョンを掲げ、ビジネスとITのギャップを解消し、外部環境の変化に柔軟に対応できるように顧客らを支援すべく、「AquaLogic」ファミリーを2005年6月に発表した。過去の場当たり的なアーキテクチャーは、「凍結資産」のサイロを生み出してしまった。統合されたSOAのプラットフォームを提供し、それらのギャップを埋め、「流動資産」に変えていくのがBEAの狙いだという。

 AquaLogicファミリーは、いわゆるエンタープライズ・サービス・バス(ESB)にデータ統合やセキュリティ機能を組み込み、そうした基盤の上にビジネスプロセスと情報を組み合わせることができる機能を載せていく図式だ。BEAはAquaLogicファミリーを発表した2カ月後の昨年8月にポータルソフトウェアのリーディングベンダーであるPlumtree Softwareを買収、今年3月にはBPMベンダーとして知られるFuegoも買収し、空白だった領域を積極的に埋めている。

 FuegoのCEOで、現在はBEAのビジネスインタラクション部門で副社長を務めているジョン・ローク氏にBEAのBPM戦略を聞いた。

1999年のFuego設立からCEOを務めたジョン・ローク氏。BEAによる買収後も引き続きBPM製品を統括している

ITmedia 大手がひしめくBPM市場においてFuegoはユニークな存在でした。その背景を教えてください。

ローク Fuegoの起源は、アルゼンチンのブエノスアイレスにあります。1980年代から1990年代初めにかけて、Intersoftという会社が、南米市場においてERPやデータベースの製品で大成功を収めました。しかし、1990年代半ばになると、ERPのモジュール間のつなぎがうまく行かないことに気が付きました。これは、SAPやOracleも同様でした。

 そこで、著名なコンピュータサイエンティストでもあった同社CTOらは、モジュールをまたがるビジネスプロセスを経営という視点から分析し、実行していくパッケージソフトウェアを開発したのです。彼らがそのソフトウェアを「ビジネス・サービス・オーケストレーション」と呼んだのは1996年のことです。今でこそ、どのベンダーも「サービスオーケストレーション」を喧伝していますが、Intersoftは非常に早くから着目していました。そして、1999年、彼らは北米市場にFuegoを設立し、打って出ることを決めたのです。

 Fuegoは、著名なベンチャーキャピタリストの支援を獲得、ボードメンバーにも大手ITベンダーの会長らを招くことに成功しました。そのときわたしは、彼らからCEOとしてFuegoの優れた技術を生かしてビジネスを成長させることを託されたのです。

 Fuegoは小さな会社でしたが、北米市場でも大成功を収めました。その結果、これは業界の常ですが、大きな会社が食指を伸ばしたということです。

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