【SOA最新動向】ミドルウェア編――SOAを実践するための現実解：動き出したSOAのいま（2/3 ページ）

[渡邉利和，ITmedia]

◆ Oracle

・SOAスイートをFusion Middleware上で展開

　Oracleも、SOAに対応するアプリケーションサーバ層を「Fusion Middleware」と名付け、その機能拡充に積極的に取り組んでいる。

　中でも、SOAへの取り組みとして注目されるのは「Oracle SOA Suite」だろう。これは、SOAの作成、配布および管理に対応するサービスインフラストラクチャーコンポーネントをスイート化した製品で、サービスの作成／管理や、コンポジットアプリケーションおよびビジネスプロセスのオーケストレーションを実現する。

　SOA Suiteは、自社のFusion Middlewareのみではなく、主要なJ2EEアプリケーションサーバやメッセージングバスと組み合わせて利用することも可能となっている。対応するプラットフォームは、Oracle Fusion Middleware、IBM WebSphere、BEA WebLogic、JBoss Application Serverなどである。

　SOA Suiteには、「Oracle JDeveloper 10g」「Oracle BPEL Process Manager」「Oracle Web Services Manager」「Oracle Business Rules Engine」「Oracle Business Activity Monitoring」が含まれる。

　JDeveloperはアプリケーションの作成、構成のための包括的な統合SOA開発環境。BPEL Process Managerは、BPELエンジンであり、ビジネスプロセスの設計／定義／実行をサポートする。また、Web Services ManagerはWebサービスの保護と管理を行うための単一コンソールで、Business Rules Engineはビジネスルールの管理ツールだ。最後のBusiness Activity Monitoringは、業務処理オペレーションで必要となる、プロセスのリアルタイム監視機能を提供する。

◆ IBM

WebSphereを核とする膨大なSOAツール群

　IBMは、同社のアプリケーションサーバであるWebSphereを中核とし、その周辺に膨大な関連ツール群を配してSOAに基づくシステム構築を支援する体制を整えている。

WebSphereを中心としたIBMのSOA製品

　ここでそのすべてを挙げるのは難しいが、中核的な要素だけをみても、ESB（WebSphere ESB）、BPEL（WebSphere Integration Developer）、データアクセス（WebSphere Information Integrator）、ビジネスプロセスのモニタリングと管理（WebSphere Business Monitor）など、必要と考えられる機能はおよそ網羅されていることが分かる。強力なシステムインテグレーションサービスの体制と併せ、SOA対応を検討するユーザー企業が必要とする支援をすべて提供できるといっても過言ではないほどの内容である。