目新しさに欠けるGoogle Code Search(1/2 ページ)

Googleが公開したGoogle Code SearchはGoogleにすると“新機能”ではあるが、実のところこうしたコード検索は、そのほかの検索サイトにおいて何年も前から実現されている機能なことは知っているだろうか。

» 2006年10月12日 08時00分 公開
[Lisa-Hoover,Open Tech Press]

 Googleは今週、Google Code Searchを公開し(関連記事参照)、オープンソースコード検索の分野に参入する旨をアナウンスした。これは数十億単位で存在するオープンソース系ソフトのコード検索をするためのツールだが、これによりユーザーは、従来版のGoogle検索エンジンでは検索できなかったタイプのファイルを探し出せることになる。Googleが新規に提供するコード検索が同サイトにとって“新機能”というカテゴリーに分類されることに間違いはないが、実のところこうしたコード検索は、そのほかの検索サイトにおいて何年も前から実現されている機能なのである。

 Google Code Searchは、Webサイトに公開されているコードだけでなく、SubversionやCVSなどのコードリポジトリや.zipファイルをも巡回対象としているので、Googleサイドが主張するところによると、開発者によるアクセスが「従来は困難であった」情報を新たに提供することになる。

 ところが、大手コード検索エンジンのKodersはすでに2004年の段階から、リポジトリの収蔵コードに対するインデックス化作業を実施しているのだ。Kodersの共同設立者の1人でありCEOを務めているダレン・ラッシュ氏は、「わたしどもの場合、まずにメジャーなオープンソース系リポジトリに対するコードのインデックス化から手掛け始めました。ここで巡回させているクローラは、CVSやSubversionなどのバージョン管理システムとダイレクトに接続するテクノロジーを採用しており、高品質な収蔵コードのインデックス化をしています。また.zipアーカイブや特殊なバージョン管理システムにも対応済みです」と説明している。

 同様のコード検索サービスを提供しているWebサイトとしては、2006年上旬に開設されたKrugleも存在する。「ここでは一般に公開されている数百カ所のコードリポジトリを巡回してインデックス化していますが、そうした収蔵ファイルは莫大な数に達しています。また有力なコンテンツパートナーと提携して、プライベートなリポジトリに対する巡回作業とインデックス化も行っているので、より深く掘り下げたコード検索が行えるようになっています」と説明するのは、マーケッティングおよびビジネスディベロップメントの責任者を務めるローラ・メルリング氏である。「(わたしどもでは)ユーザーコミュニティーに対して、当サイトに含めるべきコードリポジトリやプロジェクトがあったら、URLを登録するよう呼びかけてもいます」。

 Google Code Searchには特別な付加機能は装備されていないが、Googleのプロダクトマネジャーを務めるトム・ストッキー氏によると、Google Data APIは検索クエリに則した情報を厳選して収集するよう作られているので、きめ細やかな検索サービスを利用してもらえるはずとのことだ。現在のところGoogleが新規に提供する検索ツールで行えるのは、コード行、ライセンス、プログラミング言語によるコード検索であるが、これらは既にKodersに装備されている機能でもある。またKrugleを用いればコード行やプログラミング言語だけでなく、コメント、関数呼び出し、関数、クラス定義を指定した検索も行える。

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