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» 2006年10月23日 14時52分 UPDATE

Trend Insight:NovellがReiserFSからext3に乗り換え

Novellは、次期バージョンのSUSEで、デフォルトのファイルシステムをReiserFS 3からext3に変更する。この動きに至るまでの経過をたどってみよう。

[Mayank-Sharma,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 9月に、SUSE Labsのジェフ・マホニー氏は、ReiserFSファイルシステムのさまざまな問題を分析した電子メールをopensuse-factoryメーリング・リストに投稿した。このメッセージの中で、彼はSUSEのファイルシステムを切り替えることを提案している。提案への手応えは良好だったに違いない。というのも、Novellは今日、次期バージョンのSUSEで、デフォルトのファイルシステムをReiserFS 3からext3に変更することを確認したからだ。

 SUSE は5年以上にわたり、ReiserFSファイルシステムを熱心に支持してきた。Novellによる買収後もこの関係は続いていた。しかし最近になり、ReiserFSに関するさまざまな問題が持ち上がってきた。マホニー氏は電子メールの中で、幾つかの技術上の問題に加え、保守に関連する問題も指摘している。ReiserFSの中心的な開発者であるハンス・レイザー氏がReiserFS v3を保守モードに移行させ、バグ修正以外の変更の提案に猛烈に抵抗するようになってから問題は拡大している。

 レイザー氏はもう何年も前から、人々にReiserFS v4の使用を強く勧めているが、Reiser4をLinuxカーネルに組み込んで欲しいという彼の要請は黙殺されている。その結果、SUSEでReiserFS v3に携わる開発者は、クリス・マソン氏、ジャン・カラ氏(内部的な担当)、およびマホニー氏だけになった。ハンス氏の会社、Namesysでも、彼のチームの輪番制のメンバーがコードを扱う作業に携わっていた。マソン氏はNovellを辞めてOracleに移り、マホニー氏は先ほどのように、ReiserFSを切り捨てたいという気持ちを明らかにした。「ReiserFSを扱うことよりはるかに興味のあるプロジェクトをわれわれ全員が持っています」と彼は言う。 「ReiserFS v3は行き止まりなのです」

 技術的に、ReiserFS v4を導入する道のりも平坦なものではなかった。「Reiser4は増分アップデートではなく、再フォーマットが必要で、これは多くの人々にとって筋の通らない要件です。わたしはReiser4を興味深い研究ファイルシステムと考えていますが、せいぜいその程度のものです。今のところ、安定性もそれほど優れているとは思えません。リカバリ・ツールがどの程度高度なものかはまだ分かりませんが、フォーマットが複雑であることと、基本的にプラグインを使ってフォーマットをその場で定義できることから考えて、fsckを有効に機能させるのは至難の業ではないかと思います」マホニー氏は言う。

 そのため、「老朽化したファイルシステム」を置き換えるには、「明確なアップグレード・パスを持つ実証済みのファイルシステム、すなわちext3に切り替えること」が当然の選択だとマホニー氏は考えている。大多数のディストリビューションがデフォルトのファイルシステムとしてext3を採用しているので、バグのほとんどをマソン氏かマホニー氏が修正していたReiserFS v3と違い、ext3にはバグをつぶす大規模な開発者のコミュニティーがある。

 マホニー氏は、ext3のリカバリおよびデバッグ・ツールがとても優れていると考えており、ext3には明確なアップグレード・パスがあると説明する。「ext3の改良に対するコミュニティー内の関心は高く、ext4の開発もすでに進められています。 ext2からext3へのアップグレード・パスと同様に、ext4へのパスも明確に定義されています。既存のファイルシステムのアップグレードは容易で、新しいファイルでは新しい機能をうまく活用できるようになります」とマホニー氏は言う。

 しかし、多くの人々が驚いたのは、Novellが行動を起こしたタイミングである。偶然にも、マホニー氏が提案を投稿したその日に、Reiserは彼の妻の失踪に関連して警察の家宅捜索を受けた。マホニー氏は、彼の提案はReiserに関するニュースが発表される数時間前に投稿されており、タイミングはまったくの偶然であるといっている。

 10月10日、Reiserは、彼を妻の失踪と結びつける状況証拠に基づいて逮捕された。

 NovellのLinuxおよびオープンソースの広報担当重役、ケバン・バーニー氏は今日、Novellの計画は「間違いなく今週の法的進展よりかなり前に立てられていた」ことを力説した。この決定は顧客からの要望に基づいて行われたものだと同氏は言う。「お客様の要望に応えて、次期バージョンのopenSUSE(10.2)およびSUSE Linux Enterprise(バージョン11と呼ばれる見込み)では、デフォルトのファイルシステムをReiserFS 3からext3に変更します」

 これでReiserFSの命運は尽きたかのように見えるが、バーニー氏によると、NovellはReiserFS v3のサポートと改良を続けるとのことである。Namesys関連の複数の個人からも、ファイルシステムの開発は継続されるという話が伝わっている。

 事態が沈静化するにつれて、状況が明らかになってくるだろう。Novellは近いうちに、ファイルシステムの変更に関する詳しい情報を開発者とユーザーに提供するはずである。ReiserFSをデフォルトのファイルシステムに採用しているほかの唯一の主要なLinuxディストリビューションであるSlackwareが Novellに追随するかどうかは、現時点ではまだ分からない。もう1つ注目されるのは、ReiserFSの開発を積極的に支援してきたLinspireの動向である。SlackwareとLinspireに電子メールで問い合わせたが、どちらからも回答は得られていない。

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