AI対AI:Linux上のN.E.R.O.Leverage OSS(3/3 ページ)

» 2006年10月25日 09時00分 公開
[Nathan-Willis,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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0の軍隊、それとも1の軍隊?

 最近の活動について言えば、前回ゲームが更新されてからかなり時間が経っていることに気づくだろう。スタンレー氏は、開発がまだ継続しているとわたしに断言してくれた。問題は、このゲームが大学の講義の中で開発されており、そのために、経験を積んだ学生が卒業すると、開発者が大きく入れ替わってしまうことである。しかも、スタンレー氏はUTから中央フロリダ大学に転任し、新しいメンテナを指名している。ただし、彼は今でもチームの助言役を務めており、N.E.R.O.の原動力となるリアルタイム学習アルゴリズム、rtNEATの研究を続けている。


 この予測できない状況に鑑みて、多くの人々がゲームコードをオープンソース化できないかどうかをたずねた。スタンレー氏やほかのプログラマーたちは、コードをオープンソース化したいという意向を表明しているrtNEATのソースコードは、現在でも非営利目的の「研究ライセンス」の下で入手できる。

 スタンレー氏によると、UTがコードのオープンソース化に同意する必要があるが、大きな障害は、ゲームコードがTorqueエンジンで書かれており、このエンジンはソースコードの再配布を禁じていることである。rtNEATをN.E.R.O.から切り離すことはできるが、ゲームコードの残りの部分を書き直すのは大仕事である。

 N.E.R.O.バージョン2の公開に関する公式な発表はないが、現在の開発チームは毎月の更新情報をフォーラムに投稿することを約束している。最近、開発の進捗状況を示すビデオがN.E.R.O.のWebサイトに追加された。

結論

 経験上、わたしは人気のあるFPSゲームを最初のうちこそ楽しんでプレイするが、「見つけ出す」ものが何もなくなったとたんに興味を失う傾向がある。時間制限をうち破ったり、1人の手強い敵を倒したりするために同じレベルを何度も繰り返しプレイするのは単なる時間の無駄にしか思えないのだ。これに対し、N.E.R.O.は決して完全には克服できない問題を中心に据えて構築されている。どれほど優秀なチームを作り上げても、常に改良の余地がある。そこがこのゲームの面白さだ。

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