MSのXML技術者が新興オープンソース企業へ

W3CにおけるMicrosoftの代表を務めていた技術者が、新興企業WSO2にマッシュアップ技術ディレクターとして入社した。

» 2006年11月01日 11時45分 公開
[Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK

 オープンソースミドルウェアを手掛ける新興企業WSO2が、元Microsoft技術者を雇用したことを発表した。

 Microsoftの元技術外交担当ジョナサン・マーシュ氏は、スリランカのコロンボに本拠を置くWSO2に、マッシュアップ技術ディレクターとして入社した。

 マーシュ氏はWSO2で、同社のオープンソースミドルウェアプラットフォームの全般的な技術的方向性を定める手助けをし、状況依存型アプリケーション、ビジネスプロセス管理、監視のための次期サーバサイドマッシュアッププラットフォームの開発を指揮すると、同社の創設者でCEO(最高経営責任者)のサンジバ・ウィーラワラナ氏は語る。

 マーシュ氏はMicrosoftに10年間務めていた。XMLおよびWebサービス技術の技術外交担当者で、ブラウザのXML処理をアップグレードするAPIの開発も推進していた。

 「マーシュ氏はMicrosoftに10年務めたベテランだ。同氏がまったく別の種類の企業にどう適応するか興味深い」と同氏とさまざまな標準化団体で交流を持つWebMethodsのSOAマーケティングディレクター、ミコ・マツムラ氏は語る。

 マーシュ氏はWorld Wide Web Consortium(W3C)におけるMicrosoftの代表で、XPath、XSLT、XML Base、xml:id、Xinclude、XPointer FrameworkなどのW3C仕様の開発に貢献したとWSO2の関係者は語る。

 さらに同氏は、最近W3C Web Services Description Working Groupの共同議長に再度任命されたとこの関係者らは言う。同氏はこの役職を継続し、さまざまなW3CワーキンググループおよびOASIS(Advancement of Structured Information Systems)技術委員会への参加を続ける。

 「ジョナサン(マーシュ氏)は当社に非常に強力なクライアントとUIの要素をもたらす」とウィーラワラナ氏はeWEEKに語った。「彼は何年も前に初めにXMLとXSLTをInternet Explorer(IE)に統合した人物だ」。マーシュ氏はそこで有名な開発者アダム・ボスワース氏(現在はGoogleのエンジニアリング担当副社長)と働いていたという。

 実際、マーシュ氏は「今Ajax(Asynchronous JavaScript and XML)と呼ばれている分野で豊富な経験を持つ」とウィーラワラナ氏。

 さらに「当社の強力なサーバサイドWebサービスのスキルとジョナサンの強力なクライアントサイドサービスのスキルにより、当社はマッシュアップ自体をマッシュアップできるようにする――今日のマッシュアップの主要な欠陥だ――独自のマッシュアッププラットフォームを作り出すだろう」と同氏は言う。

 マーシュ氏は、Webサービス、標準、オープンソース分野(特にApache Software Foundation)の専門家で構成されるWSO2のチームに入る。

 同社の創設者であるウィーラワラナ氏とポール・フレマントル氏は、IBMに勤めた後WSO2を設立した。もう1人の創設者ダバナム・スリニバス氏はComputer AssociatesからWSO2に移った。さらに同社の開発者は、Apache Axis2、Apache Sandesha、Apache Policy、Apache Axiom、Apache Synapseなどの多くの主要なApache Webサービスプロジェクトの参加者だと同社関係者は話している。

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