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» 2006年11月06日 20時25分 公開

NEC、「現行の問題点を克服した」シンクライアントシステム

NECはシンクライアントシステム「VirtualPCCenter」の新製品群を発表。専用LSIの搭載によってマルチメディア処理能力を強化した端末などが追加された。

[ITmedia]

 NECは11月6日、シンクライアントシステム「VirtualPCCenter」の新製品群を発表した。専用LSIの搭載によって描画機能などを強化したデスクトップ型シンクライアント端末「US100」のほか、ノートブック型端末「US50」、あらかじめミドルウェアやクライアントOSをプリインストールしたオールインワン型サーバ「Express5800/VPCC 仮想PCサーバ」が追加されている。

 この数年企業では、シンクライアントシステムの導入に対する関心が高まっている。個人情報保護法の全面施行、Winnyによる個人情報流出事件の続発などを受けて、根本的なセキュリティの強化を図りたいというのがその目的だ。

 NECでは、こうしたニーズを踏まえて3タイプのシンクライアントシステムを提供してきた。Citrix SystemsのMetaFrameを用いた「画面転送型」、サーバに格納しているOSやアプリケーションをクライアントPCにダウンロードして利用する「リモートブート型」、それにサーバ側で仮想的にクライアントPCを動作させる「仮想PC型」だ。

 この日発表された新製品群は、このうち仮想PC型を強化したものだ。仮想PC型では、データセンターに格納したサーバ上に、ヴイエムウェアの仮想化ソフト「VMware」を用いて仮想的なPC環境を複数稼働させ、その処理内容をネットワーク越しに各端末に表示させる。クライアント側にははじめから重要なデータを置かないため、情報漏洩のリスクを大幅に減らせるほか、運用管理はサーバ側で一括して行うため、運用コストを削減できる点がメリットだ。

 しかし仮想PC型シンクライアントでは、基本的にサーバ上のソフトウェアですべての処理を行う。このため、負荷の高いソフトウェアを動かしながら同時に音声や動画などのマルチメディア処理を行うと、再生がとぎれとぎれになるといった弱点があった。

 これに対し新製品のUS100では、ServerEnginesと共同開発した専用LSI「NetClient」を端末側に搭載することにより、マルチメディア処理性能を改善している。「サーバから見たとき、通常のPCとまったく同じように見え、マルチメディアデータや音声を高速に処理することができる」(NEC執行役員専務の小林一彦氏)

 NetClientには、音声コーデック処理の機能も組み込まれている。同社のIPテレフォニーサーバ「UNIVERGE SV7000」を組み合わせれば、仮想PCサーバを介さず、端末間での直接通話が可能だ。つまり、サーバ側の負荷の影響を受けることなく、安定した品質で通話を行えるという。

 また、同時にリリースされたExpress5800/VPCC 仮想PCサーバは、仮想PC型シンクライアント環境の導入、インストールに要する時間と手間を省くものだ。

 「従来は、セットアップに1台当たり30分から1時間を要していた」(小林氏)。これに対しExpress5800/VPCC 仮想PCサーバでは、仮想PC 20台分に必要な仮想化ソフトや管理ソフトをあらかじめインストールした状態で提供するため、電源を入れればすぐに利用できる点がメリットだ。同社によると、インテグレーションの部分も含めた初期導入費用は、従来に比べ最大で40%削減できるという。また、運用管理ソフトウェア「SigmaSystemCenter」を組み合わせることで、TCOについてもさらなる削減が可能という。

 この結果、現行のシンクライアントシステムが抱える「マルチメディア性能の劣化」「イニシャルコストの上昇」という2つの問題点を解決できるとした。

 価格は、US100が5万2000円、ノート型のUS500は22万円から。またExpress5800/VPCC仮想 PCサーバは、20ユーザー分で191万6000円から。同サーバとUS100、ディスプレイの組み合わせで100ユーザー構成のシステムを構築した場合、1ユーザー当たりの初期導入費用はおおむね19万円に抑えられるとしている。11月15日より順次、日本だけでなく全世界で出荷を開始し、今後3年間で約1500億円の売り上げを目指す。

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