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» 2006年11月16日 02時52分 UPDATE

日本SGIの戦略に見る「セグウェイ=ロボット」論 (1/2)

日本SGIがSegwayの国内正規総販売代理店となることが発表されたのが10月。なぜこの時期に? しかもなぜ日本SGIが? と思われた方も少なくないはずだ。そこには「セグウェイはロボットである」という両社の思いが合致した結果であることが分かる。

[西尾泰三,ITmedia]

 かつて、Appleのスティーブ・ジョブズCEOなどが「人間の移動形態を変える革命的な製品」と絶賛したことなどを受け、夢の乗り物だとその登場が期待された電動立ち乗り二輪車「Segway」。実際に発表された後は一人歩きした期待とのかい離からか、もしくはその高価な価格帯が災いしたのか、当初予想されたほどのブームにはならなかったものの、海外では警察や民間の警備会社をはじめ、倉庫やコンベンションセンター、空港や駅の施設、またガイドツアー、ディズニーランドなどのアミューズメントパーク、ゴルフ場などで利用されている。

 一方日本では、個人的に購入したユーザーなどによって累計で500台程度が存在していると言われる。読者の中には神田敏晶氏がSegwayで公道を走行したことで略式起訴されたことを覚えておられる方もおられるかもしれない。この判決文において、Segwayは自動二輪車に定義されてしまったことで、公道で走行することが困難な状況になっている(Wikipedia参照)。電動車いすが公道を走れることを考えればグレーゾーンの存在が見え隠れするが、盛り上がり過ぎたことでこのような現状になっていることはSegwayにとっては不幸以外の何者でもない。なお、米国では50州のうち45州で公道を走れることになっている。

DSC_1299.jpg

 あれから数年。この10月に日本SGIは突如、最新型となる「セグウェイ・パーソナル・トランスポーター(PTモデル)」の国内正規総販売代理店として販売を開始することを発表した(関連記事参照)。同社によると、発表後、同社のWebサイトはそれまでの2倍以上のページビューを維持するなど、その波及効果も現れているという。

 しかし、なぜこの時期なのか、また、なぜ日本SGIがSegwayを取り扱うのかについては疑問が残る。ここでは、戦略事業推進本部執行役員本部長の大塚寛氏に話を聞いた。

大塚氏 日本SGI戦略事業推進本部執行役員本部長の大塚寛氏

 「(今や)われわれはSegwayをロボットであると認識している」と大塚氏。Segwayはプロダクトとして完成された“乗り物”であり、日本SGIも当初はその認識でしかなかったという。

 しかし転機は2005年に訪れた。日本SGIのエンジニアがあるロボットのプロジェクトで渡米した際、ふとしたきっかけでSegwayの開発キットの存在を知ったのだという。開発キットによるカスタマイズが可能となれば、そこに日本SGIがこれまで培ってきた技術を盛り込んで新たな付加価値の提供することで、さまざまなマーケットに展開できるのではないかと判断したという。

 一方のSegway社も、日本で総販売代理店を探しているところだった。多くの商社などがSegway社にアプローチする中、ロボットという視点で捉えた日本SGIに相通ずるものを感じ、上述の発表へと至った。

 総販売代理店としての日本SGI側がコミットしているのは、年間の出荷2500台と付加価値の提供。前者は発表後の反響を見ても十分にクリアできるのではないかと大塚氏は自信を見せる。

 現時点で具体的な付加価値として考えているものとしては、「ユーザビリティの改善という意味で、インタフェースのイノベーションを加えていこうと考えている。具体的には、STなどの取り組みに代表される『声』による操作」と話す。また、大学との産学連携も今後視野に入れていきたいとしている。

DSC_1296.jpg 5つのジャイロと2つの傾斜センサーにより、よほど急旋回したりしない限り転ぶことはない。乗っていてバランスが崩れないのを実感するのは、電源が入っていないときの不安定さを目の当たりにした際だ。ちなみに、ブッシュ元大統領がSegwayで転倒したのは、電源が入っていなかったため。右はワイヤレスコントローラ「InfoKey」
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