カテナがIP-VPNで地震速報サービス 震度と到達時間を即時配信

カテナはアッカ・ネットワークスと協業して、地震速報システムをIP-VPNで提供するASP型サービスを開始した。

» 2006年12月05日 17時13分 公開
[ITmedia]

 カテナとアッカ・ネットワークスは12月5日、法人向けのIP-VPNサービス「Catenet IP-VPN」を共同開発したと発表した。カテナは12月より、IP-VPNサービスと同社が販売する情報システムを組み合わせた各種のASPサービスを提供していく。

 アッカでは、アクセス回線や中継ネットワーク、基盤アプリをカスタマイズしてサービスプロバイダーに提供するパートナープログラム「アッカソリューションプラットフォーム」を展開している。今回のASPサービスは、カテナが電気通信事業を始めるに当たり、同プログラムのパートナー企業になったことで実現した。カテナは、ユーザー企業に対して通信インフラの提供から情報システム、機器などの手配や構築、障害対応までのシステム導入・運用をワンストップで行う。

画像 Catenet IP-VPNを活用した緊急地震速報システムのイメージ(出典:カテナ)

 カテナではまず、Catenet IP-VPNを利用した「緊急地震速報システム」のサービスを開始する。緊急地震速報は、気象庁の緊急地震情報に基づいて、事前に予測震度と到達時間をユーザーに通知するサービス。インターネットを利用する地震速報システムでは、緊急時の回線の輻輳(ふくそう)により情報伝達が遅れる恐れがある一方、同サービスでは専用閉域網であるIP-VPNを情報伝達に利用し、カテナのデータセンターより地震情報を即時に配信することで、大きな揺れが到達する前にユーザーが全館放送や警告灯などで避難を促すことが可能になる。また、ユーザーはアクセス回線でベストエフォートか帯域保証かをメニューで選べる

 またカテナは今後、アッカ、ウィルコムなどが設立したM2Mコンソーシアムへの加盟を通じて、地震速報データを活用したエレベータや非常扉の自動制御や電気・ガスの元栓の遮断など、防災効果の高いM2Mソリューションの実現を図るという。

 緊急地震速報システムの1拠点あたりの利用料金は月額1万2500円から。別途IP-VPNのサービス料金が必要。例えばベストエフォート型のメニュー「エコノミー」では、初期導入費用が7万5000円、ADSLアクセス回線の月額料金が1万5000円となる。また帯域を保証する「プレミアム」では、光回線の場合、初期導入費用が9万円、月額料金が5万5500円(いずれも税別)。

 カテナは初年度で300回線の販売を見込んでいる。

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