Vistaインストール新自動化ツール、eWEEK Labが検証(2/2 ページ)

» 2006年12月06日 21時12分 公開
[Cameron Sturdevant,eWEEK]
eWEEK
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コンポーネントの追加

 そうとはいえ、今回のテストではWinSIMがシングルファイルインスタンスを採用しているおかげで、同一のコンポーネントをVistaイメージファイルに追加し、容量をいたずらに増やしてしまうケースが起こりにくいことも分かった。

 eWEEK LabはVistaカタログのコンポーネントを拡張し、設定可能な項目の一覧をWinSIM内で表示できるようにした。経験のあるシステム管理者にはおなじみのセッティング方法である。

 コンポーネントは、単純に選んでいくことで追加できた。その後、各コンポーネントを右クリックして、WinSIMの処理中に生成された7つの設定パスのうちの1つに割り振った。ほとんどすべての場合において、コンポーネントを選んだ時点で適切なパスレベルが唯一の選択肢として表示された。

 組織は、インストールすべきコンポーネントの価値を正しく判断する作業に、準備期間の多くを充てるべきである。例えばeWEEK Labでは、以前からネットワーク上で使用していたサードパーティ製ツールでハードウェア目録を作成し、そこから全システムに少なくとも40Gバイトのハードディスクドライブが搭載されていることを把握した。

 第1回目の検証では、ローカルドライブへのデータ保存はいっさい考慮しなった。そこで、Vistaのセットアップディスク設定コンポーネントがディスクをフォーマットし、37Gバイトのメインパーティション(インストールを完全に実行できる余裕を持たせている)を確保し、画面にメッセージを表示するのはエラーが発生したときだけとすることを、unattend.xmlファイルに明記した。

 さらに、パーティションはNTFS(NT File System)形式でフォーマットし、「EWKLABS」という名称を付けること、ドライブレターをCとしてパーティションIDは1にすることも、同様に規定した。

 一見設定が詳細すぎるように思えるこうした作業が、後々のパッケージインストールでは重大な意味を持つことになる。IT管理者はWinSIMの機能を細部に至るまで学び、自らの組織で利用する応答ファイルを詳細に分析できるようしておく必要があると思われる。

 Microsoftが、IT部門内でunattend.xmlファイルの相互通信を行ったり、変更点および作業実施日を記録したりする一種のレポート機能を提供すれば、使い勝手はさらによくなるだろう。

 すべてのコンポーネントを選択し、それぞれを設定したあとは、「応答ファイルの有効化」ユーティリティを起動させる。WinSIMは、各コンポーネントの設定に有効な応答だけが確実に使用されるようにする点ですぐれているが、ITスタッフが有効ではあるものの不正確な応答を入力する可能性はきわめて高い。eWEEK LABがファイル作成時にミスを犯し、システムへのVistaインストールが何度か失敗したときに、実験の軌道修正を可能にしたのがこの機能だった。

 unattend.xmlファイルは、「autounatted.xml」と名前を付けてUSBキーに保存した。参照PC(マスターPC)として機能しているGatewayのPCでは、VistaのDVDとUSBキーに保存した応答ファイルを使用し、Vistaのセットアップを実行した。Vistaのマスターイメージは、このようにして作られている。

 実験では、ITシステム管理者が参照PCのイメージを一般化して(以前は「リシール」すると言われていた)配布するのにしばしば用いる、「Microsoft Sysprep(System Preparation)」ツールも使用された。

WinPEを活用

 参照システム上にVistaイメージを作成したあとは、ネットワークでシェアリングして展開イメージを作った。実験のこの段階でeWEEKが利用したのは、「MS-DOS」に代わりシステムインストールに採用されるようになった「WinPE」だ。

 WinPEは、Vistaカーネル上に構築される、利用可能なサービスに制限が設けられた31ビットの簡単なオペレーティングシステムである。eWEEKはWinPEを使用して、USBキーからVistaの簡易版を起動し、ネットワークからVistaのインストールおよびトラブルシューティングを行った。

 WAIKがインストールされたXPシステム上では、eWEEKの環境に合わせたVistaイメージファイルと、DVDに書き込んだISOを作製するのに必要なWinPEファイルを比較的簡単に作ることができた。

 一方、Vistaが稼働する参照PCでは、WinPEディスクからシステムを再起動した。導入プロセスを完了させるため、ImageXはWinPEデスクにコピーしている。こうしてGateway PCがWinPEに切り替わってから、ImageXをコマンドラインで使用して、マスターとなるVistaイメージを作成した。さらにWinPEから、このイメージをネットワークのシェアリングフォルダにコピーした。

 インストール実行時に、「ntfs.log」などの特定のファイルを無視するようImageXに命令する、「wimscript.ini」ファイルも作成している。このファイルには、使用するための手順は明確に文書化されており、eWEEKのWinPE環境でも何ら問題は発生しなかった。

 WinPE環境からハードドライブをフォーマットする際は、「diskpart」コマンドを使用した。参照システムを作るときに生成したパラメータは一致させてある。

 ハードドライブの準備が調ったので、ImageXツールを使ってネットワークシェアから参照用Vistaイメージをコピーし、ハードドライブに適用した。イメージのインストール後には、さまざまな機器に新たに展開したイメージを問題なく起動させることができた。

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