涙あふれる 管理者デビューした“あの日”女性システム管理者の憂鬱(1/4 ページ)

システム管理者は誰もが皆、自分が一番ついていないと思っているようだ。わたしの場合、どんな簡単なイベントでも自分だけはなにか途轍もないトラブルに見舞われるはずだ、と最初からあきらめている。

» 2006年12月18日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 システム管理者は誰もが皆、自分が一番ついていないと思っているようだ。RAID5を組んだファイルサーバは、なぜか必ず2本同時にHDDが故障するし、新規購入したサーバの設定がうまくいかず、七転八倒していると、ハードウェアの初期不良が判明する。「自分だけなぜこんなトラブルに見舞われるのだろう、みんなもっと楽なはずなのに・・・・・・」。そう考えるシステム管理者は少なくはないだろう。

 わたしの場合はといえば、どんな簡単なイベントでも、自分だけはなにか途轍もないトラブルに見舞われるはずだ、と最初からあきらめてしまっている。それはシステム管理者デビューの日のトラブルが数年経った今でもトラウマとなっているからだ。

キャリアアップを目指してシステム管理者へ

 システム管理者になるまで、わたしはウイルス対策ソフトメーカーの電話サポートをしていた。キャリアアップを目指して、自費でWindows系のサーバ管理を学ぶスクールへ通学し、マイクロソフト認定資格MCP(Microsoft Certified Professional)を3つほど取得したところで、システム管理者としての転職に成功した。わたしが入社した会社は親会社のシステム運用を一手に引き受け、本社のサーバ管理から各拠点のユーザーサポートまで、数万人の社員がスムーズに業務を進められるようにシステム管理を行っていた。

 わたしの場合、サポートデスクの経験はあるものの、システム管理は初めてということで、本社のコアの運用チームではなく、拠点のリソース管理を担当することになった。まずは本部で3日間のオリエンテーションを受けた後、システム管理者に空きが出るという拠点に配属が決まった。

 その拠点は、長く勤務していたシステム管理者Aさんがおめでたで、体調不良が続いているため、今日、明日にでも仕事を引継ぎ、早急に退職したいという事情を抱えていた。オリエンテーションでは、本部スタッフから事務手続きや社内体制の説明を受けたが、実際に管理する拠点のシステム構成などは現地で説明を受けるようにと指示があった。配属の前日に講師に連れられて拠点に挨拶に行ったが、指示を受ける総務担当は有休を取っており、Aさんからは明日何時に来ればいいかを確認して帰宅した。

今日から新しい仕事だ

 いよいよシステム管理者としてのデビュー当日。「今日から新しい仕事だ」という意気込みから、9時始まりとは聞いていたが、30分ほど早めに会社に着くように家を出た。しかし、そうはいっても初日である。いきなり大仕事を任せられるということもない、システム構成や一日の流れの説明を受ける程度だろう、と余裕で構えていた。会社に着くと、前日挨拶ができなかった、総務担当と初めて顔を合わせることができた。

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