勃発! 年末年始を巡る仁義なき戦い女性システム管理者の憂鬱(1/4 ページ)

年末年始の長期休暇を目前にすると、システム管理者にまた新たな悩みの種が生まれる。なんとか休暇中の任を免れようと奮闘する人たちが登場するのだ。

» 2006年12月26日 08時00分 公開
[高橋美樹,ITmedia]

 年末年始の長期休暇を目前にすると、システム管理者にまた悩みの種が生まれる。曜日の配列によっては、長い場合で一週間もの間、数万人の社員が一斉に休みを取るというこの異例の期間は、予想もつかないトラブルが起こる可能性を秘めている。なんとかそれを未然に防ぐ手立てを講じるのだが、何かあった場合には正月であろうとも出社を覚悟する必要がある。しかし、そう覚悟を決めているシステム管理者がいる一方で、なんとかその任を免れようと奮闘する人たちもいる。

 システム管理者となってから、ゴールデンウィークや年末年始といった長期休暇を迎えるころになると、必ず本社のサポートデスクから、注意事項が書かれたメールを受けるようになった。「重要」のフラッグが立つそのメールには、サーバにメールのコピーを残しているユーザーを片っ端から探し出し、休みに入る直前にクライアントPCに全メールをダウンロードさせるようにという指令が記されていた。

 数万人のユーザーを抱えるその会社では、セキュリティの観点からグループの中央に全グループ社員用のメールサーバを立て、外部との入口を1カ所に絞って集中的に監視を行っていた。わたしが入社した当時は、個人のメールボックスサイズはややきつめに制限が掛けられていた。長期休暇になると、個人のメールボックスがあふれ、送信不可や受信不可のエラーメールが相手側のサーバとこちら側のサーバの間で激しくやり取りされ、ネットワークに支障をきたすケースもあった。また、トラブルはメールだけとは限らない。監視担当者にはお手上げのインシデントが発生した場合には、運用担当者が現地に出向く必要もあった。

 お正月に、運悪く、帰省先から呼び戻されたといった話はあまり聞いたことがなかったが、それでもないとも限らない。そのため、皆、休み前には少しでもトラブルにつながる因子を排除しようと、通常よりも徹底してユーザーにオペレーション指導を行ったり、拠点でホームページを開設したりと、各拠点独自の方法で注意を促していた。その力の入れ方は「いかにシステム管理者が正月休みを楽しみにしているか」ということの裏返しに感じられ、殺気立ってはいるものの、なんともほほえましい光景に感じられた。

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