Sun Labsがオンラインゲームに注目？（2/2 ページ）

[Jeffrey Burt，eWEEK]

　ラメール氏によると、この技術は何千曲もの音楽をデバイスに保存しているのに伴うさまざまな問題を解決する可能性があるという。ユーザーが音楽を聴く時間の80％は、これらのデバイスに保存された曲のうちの23％しか再生しておらず、64％の曲は一度も再生されることがない、と同氏は指摘する。

　「ユーザーはこれらの曲が保存されていることさえ忘れてしまう」とラメール氏は話す。

　同系統の音楽をまとめることができる検索エンジンがあれば、このような状況を改善できるだろう、と同氏は話す。この技術の商用化の例として、携帯電話会社に同技術を販売するという形も考えられるという。携帯電話会社はその技術を、モバイルデバイスに音楽を保存するユーザーに追加オプションとして提供することができる。

　ニコール・ヤンケロビッチ主任研究員は、一部の人々がリモートで参加する分散会議の効率を改善するためのプロジェクトに取り組んでいる。

　「われわれが解決しようとしているのは、分散会議にまつわる基本的な問題だ。つまり、誰が会議に参加しており、誰が発言しているのかをどうやって把握するのかという問題だ」とヤンケロビッチ氏は説明する。

　Sunの「Connected Conference Room」技術のプロトタイプは、誰が発言しているのか、誰が参加しているのか、誰が何に投票しているのかといったことを把握することを可能にする。音が小さすぎる、あるいは聞こえない、雑音が入るといった音声に関する問題を参加者に通知するメニューも用意されている。

　ドキュメントの共有やアクセスの制限も可能で、ほかの人が聞こえないように内緒話をすることもできる。テキストチャット機能もある。また、順番が回ってくるまで会議への参加が許可されない人々のための「待合室」も用意されている。

　このチームが開発中のもう1つの機能は、リモートユーザーがカメラをコントロールし、だれが会議に参加しているのか確認できるようにするというもの。また、会議室の中にいる人々は、室内に設置されたモニタ上で遠隔地にいる参加者の顔を確認することができる。

　一方、「Project Darkstar」は、大規模なオンラインゲームをデザインするプロセスの改善を目指したプロジェクト。Sun Labsのディレクター、カール・ハバート氏によると、この分野は規模が小さいけれども拡大中であり、2011年までに110億ドルの市場に成長する見通しだという。

　こういったゲームは現在、巨大なデータセンターのためのスペースならびにそれを維持するのに必要なリソースを扱う資金力と技術力を持った企業が主として配備・運営している。ハバート氏の見積もりによると、大規模なオンラインゲームを運営するためのデータセンターを設計し、ゲームそのもものを開発するのに約2000万ドルのコストがかかる。

　「オンラインゲームのインフラを構築するのは非常に複雑な作業であり、巨額の資金も必要とされる」と同氏は話す。

　DarkstarはJavaベースのプラットフォームで、多人数参加型オンラインゲームを運営するのに必要な基本技術のニーズ（負荷分散、コミュニケーション、データベースパフォーマンスの最適化、スケーラビリティなど）に対処する。ゲームデザイナーがアプリケーションの開発に専念できるようにするのが目的だ。

　こういったオンラインゲームの開発に関心がある人々は、インフラの構築にSunの技術を利用すれば、ゲームの開発に労力を集中することができるという。

　「MMOG（多人数参加型オンラインゲーム）の分野を本格的に開拓したいと考えている」とハバート氏は語る。

　カリフォルニア州サンタクララに本社を構えるSunでは、この技術をサードパーティーにリースする、あるいは社内でホストするといった形のビジネスモデルを検討中だ。「Sunはこの技術をベースとしたサービスの開発にコミットしてはいないが、その可能性について考えているところだ」（同氏）

　ハバート氏によると、この技術のプロトタイプは現在、Sun Labsで運用中であり、「早期アクセス」版の形で利用可能になっているという。

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