Amarokを使った快適ミュージック管理Bye-Bye iTunes(2/3 ページ)

» 2007年01月29日 16時27分 公開
[Joe-'Zonker'-Brockmeier,Open Tech Press]

CDの再生、リッピング、音楽ファイルの焼き込み

 AmarokはCDを直接再生することもできる(近年その必要性は低くなりつつあると思うが)。同じくデータCDおよびミュージックCDを作成することも可能だ。CDを作成するには、焼き込みたいファイルをミュージックコレクションからプレイリストにコピーしてから、Playlist -> Burn to CDを選択する。するとミュージックCDを作成するのかデータCDを作成するのかの確認が行われる。わたしの場合、通常はCDからデジタルファイルを取り出すだけの一方通行的な作業しかしないのだが、何カ月前だったか、過去に足を運んだことのあるロビン・ヒッチコックのライブがFLACフォーマットでオンライン公開されているのを見つけたため、これらの楽曲を車の運転中に聴けるよう何枚かのCDに落とした際に、AmarokのCD焼き込み機能を使わせてもらった。

 AmarokはCDからのリッピングにも対応しているが、これを行うには適切なKIO-slaveのインストールが必要だ。実際のリッピング手順としては、CDを挿入してAmarokのFilesブラウザを選択するとCDの楽曲トラックが一覧されるが、それと同時に、音楽ファイルを、MP3、Ogg Vorbis、FLAC形式にエンコードするための仮想フォルダ群も表示される。これらはあくまで仮想的なファイルシステムであり、この段階で実在するデータはCD上にあるものだけである。後はフォルダ間で必要なファイルの移動をすればよく、音楽ファイルのリッピングおよび指定フォーマットへのエンコードはAmarokが自動的に行ってくれる。

 なおこの機能は、各種の理由からAmarok 1.4.4のUbuntu/Kubuntuリリースでは使えない。これはAudioCD KIO-slaveの適切なパッケージがインストールされている場合も同様だが、Xandrosそのほかのディストリビューションでは正常に機能する。

AmarokでのMagnatuneストアの利用

 Magnatuneストアが誕生したのは数年前の出来事であるが、わたしはデビュー以来の大ファンの1人である。わたしの場合、音楽ファイルを有料で購入するのは特に気にならないが、自分の好みの曲であるかを事前に視聴してみたいので、デジタル制限管理(DRM:Digital Restrictions Management)のカセのはめられたCDは1枚も買うつもりはない。その点Magnatuneはかなり理想的な選択肢であり、売り上げの半分はアーティストに直接支払われるという、カスタマにもアーティストにも納得のいく形態を取っている。

 Amarokの最新リリース(1.4.4)には、こうしたMagnatuneストアのアクセス用ブラウザが装備されている。Magnatuneの Webサイトからはすべての楽曲ないしアルバムのストリーミング再生ができるようになっているが、Amarokを使えば、Magnatuneのカタログをブラウジングしてから特定の楽曲やアルバム全体を再生するという操作ができ、またミュージックプレーヤから直接アルバムを購入することもできるようになっている。

 アルバムを購入したユーザーには、音楽ファイルのダウンロードに必要なURLとパスワードが与えられる。ダウンロードした音楽ファイルはAmarok のミュージックコレクションに追加することができるが、その際にはファイルフォーマットとして、WAV、MP3、Ogg Vorbis、FLACのいずれか1つの形式を選択しなければならない。またダウンロードに関する情報は、同一フォーマットおよびAppleのAACフォーマットでの再取得用に、電子メールの形態でも購入者に別途通知される。

 Magnatuneストアとの接続形態については、最新の安定版Amarokであっても明示的な説明が付属されていないので、これがどの程度セキュアな接続であるのかをユーザーは知ることができない。そこでわたしはこの点をAmarokの開発者に電子メールで問い合わせてみたのだが、Amarokと Magnatuneとの接続には暗号化通信が用いられているという返事が返されてきた。また将来的なリリースでは、通信が暗号化されていることをユーザーが確認できるよう、何らかの情報表示を追加する予定だとのことだ。

 AmarokでMagnatuneストアを利用する際の唯一の問題点は、物理的なメディアでの購入をする方法が何も用意されていないことだ。 Magnatuneのシステムでは、デジタルデータをダウンロードするだけでなくCD形式での購入もできるようになっているが、Amarokから利用する場合はダウンロードしかできないのである。開発者側の説明によると、こうした制限の一部はMagnatuneによるRESTプロトコル実装に起因するとのことであるが、物理メディアでの購入機能に関するリクエストを幾つか受け取っているので将来的なサポートを検討するかもしれないとされている。

AmarokにおけるLast.fmの対応

 ほかのオーディオプレーヤと同様、Amarokもストリーミング再生をサポートしているので、Amarokの対応フォーマットで流されているものであれば、ストリーミング形式のインターネットラジオを楽しむことができる。しかもAmarokではLast.fmストリーム(lastfm://)を扱うこともでき、LastFMProxyなどを介さなくてもLast.fmストリームを直接再生できるようになっているのだ。

 Amarokに各自のLast.fmアカウントを登録するには、Settings -> Configure Amarokを選択してLast.fmタブを表示させ、ユーザーネームおよびパスワードを入力する。また各ユーザーの個別設定として、演奏したトラックを Last.fmに通知するか、類似ジャンルのアーティストや楽曲をAmarokで取得させるか、MusicタブにあるContextブラウザに表示させるかを指定できる。提示された楽曲がユーザーのミュージックコレクション中にある場合は、プレイリストにドラッグすればいい。

 Amarokにはデフォルトで幾つかのLast.fmストリームが登録されているが、PlaylistsタブにあるLast.fm Radioフォルダを右クリックすればユーザー独自のカスタムストリームを追加でき、またFirefoxの設定を変更すればlastfm://形式のURLをAmarokで直接再生させることもできる。ただし後者の方式を利用するにはメディアハンドラをFirefoxに追加する必要がある(詳しい手順についてはLast.fmフォーラムにある説明を参照して頂きたい)。次に、Firefoxのロケーションバーにabout:configと入力してabout:config画面に移動し、 Preference Nameというヘッダを右クリックしてNew -> Stringを選択する。ここではpreference nameにnetwork.protocol-handler.app.lastfmと入力し、string valueの値については/usr/bin/amarokなど、Amarokのパスを登録すればいい。

 Last.fmの醍醐味の1つは、各自の採点するレーティング情報をLast.fmにフィードバックできることだ。デフォルト状態のAmarokでは、Love、Ban、Skipのレーティングボタンは表示されないが、Settings -> Configure Toolbarの設定を変更すればボタンツールバー上に表示させることができる。

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