Oracleが5つの主要アプリを同時リリース、「Application Unlimited」が第一歩を踏み出す(1/2 ページ)

ブロードウェーから世界6大陸の主要都市に中継された「Application Unlimited」イベントでは、5つの主要アプリケーション製品の最新版が発表され、同プログラムの第一歩を踏み出した。

» 2007年02月01日 14時20分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 2004年暮れに決着を見たPoepleSoftの買収以来、Oracleは30社近いアプリケーションベンダーを獲得、傘下に収めてきた。「すべての製品をサポート? すべての製品開発に投資?」── とても考えられなかったが、同社はいったんは「2013年」とした既存アプリケーションのサポート期限を撤廃し、それ以降も開発とサポートを継続していく「Applications Unlimited」プログラムを2006年4月に発表していた。

 米国時間の1月31日(日本時間2月1日)、ニューヨーク・マンハッタンのブロードウェーから世界6大陸の主要都市に中継された「Application Unlimited」イベントでは、「Oracle E-Business Suite Release 12」をはじめとする5つの主要アプリケーション製品の最新版が発表され、同プログラムの第一歩を踏み出した。

 会場となったハドソンシアターのステージに登場したチャールズ・フィリップス社長は、「5つのリリースを同時に行ったのは、ソフトウェア業界の快挙と言える」と胸を張った。

ブロードウェーのイベントは、メキシコシティー、ロンドン、パリ、アムステルダム、ドバイ、北京、上海、そして東京といった世界の主要都市に中継された。写真はOracle OpenWorld 2006 San Franciscoのキーノートに登場したフィリップス社長

 PeopleSoftを買収によってPeopleSoftとJD Edwardsを獲得したOracleは2005年、傘下に収めたアプリケーション群のスーパーセットとして「Fusion Application」を提供することを明らかにしたが、既存のアプリケーションに投資を行ってきた顧客、特にPeopleSoftやJD Edwardsのユーザーらは不安に駆られたに違いない。

 「顧客の投資を守り、さらに拡張や進化を約束するものだ」とフィリップス氏が話すとおり、Application Unlimitedプログラムは、ライフタイムサポートと専門開発チームによる継続的なリリースを保証するだけでなく、分析機能やアイデンティティ管理、BPMといったOracle Fusion Middlewareの機能によって拡張され、さらにSOA(サービス指向アーキテクチャー)の利点もすぐに享受できることを約束するものだ。

 先ごろは、主要アプリケーションに共通で活用できるダッシュボードの提供が発表され、バックエンドのさまざまなアプリケーションからデータを収集・分析し、ユーザーに必要な情報を提供できるようにしたばかりだ。アプリケーションの開発を指揮する上級副社長のジョン・ウーキー氏によれば、「ダッシュボードはFusion Applicationでもそのまま利用でき、投資は保護される」という。

 「顧客らは、いつでも好きなときに無償でアップグレードできるし、Fusion Applicationへの移行も決して強制しない」(フィリップス氏)

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