現在のITは、まずコンシューマーに受け入れられ、技術や利用法がこなれてくるとビジネス用途へと広がりを見せるのが一般的。その意味では、コンシューマー向けPLC製品の動向も見逃せない。コンシューマー向け市場にいち早くPLCを投入したベンダーや通信事業者に話を聞いた。
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パナソニック コミュニケーションズ(松下電器産業)は、2006年12月初旬に国内初となるHD-PLC方式のPLCモデム「BL-PA100KTスタートパック」を市場に投入した。PLCモデムの売れ行きは予想以上に好調だという。同社PLC推進プロジェクト 開発グループサポートチーム チームリーダーの祖父江昭宏氏は、「生産が間に合わない状況。当初考えていたよりも需要がはるかに大きかった。発売当時は月産3000台を見込んでいたが、春ごろから10万台まで量産できるような体制に整備しているところ」と話す。
パナソニック コミュニケーションズでは現在、コンシューマー向けの製品に注力している。今後、PLCのマーケットが発展すれば、その周辺ビジネスも広がって、企業に対しても使いやすいものになっていくと考えている。
現在、同社が発売しているPLCモデムではリピータ機能が装備されていないため、エンタープライズ向け製品のように長距離の伝送には向かないと言われている。だが、2台セットでネットワークを中間地点で分断して親機と子機の関係を作れば、リピータと同じように働き、遠くて届きにくい場所まで対応できるようになるという。
祖父江氏は、「インテグレーター側でこのような技術を組み合わせて設計すれば、エンタープライズ向けにも応用できるかもしれない。ビルで配電系列がサブブレーカーにつながって、ブレーカーそのものが分離されているとき、このようなテクニックを使えば良いソリューションになると思う」と説明する。
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