最近のWebかいわいでは、Webアプリケーション同士が連携してどんどん面白いサービスが生まれています。しかし、Web上のサービスは手元にソフトウェアも何も残らないので、どうしても雲をつかむような分かりにくさがあります。そこで本連載では、Webサービスを実際に利用/作成しながら、そういった「今どき」のテクノロジーを学んでみたいと思います。
この連載では今どきのWebプログラミングを解説していきます。Webプログラミングというと一見難しそうに思えますが、ライブラリが豊富な最近のスクリプト言語を使えば、かなり簡単に高機能なWebサービスが実現できます。本稿では、特にライブラリが充実しているPerlを使うので、各種Webサービスの開発も「実は結構手軽で簡単なもんだ」と理解していただけるかと思います。
今回から数回はその足がかりとして、Perlのライブラリ群CPAN*を使ったHTTPクライアントの作成、およびXML処理などについて解説していきます。
Webサービス、という単語には主に2つの意味合いがあります。1つは「Web上のサービス」の意味。GoogleやYahoo!など、検索やニュースといった各種サービスを提供するサイトのことです。Webサービスを作る、というとなんだか開発のにおいがしますね。
もう1つは、XML Webサービス。インターネット上に配置された、プラットフォーム非依存のWebアプリケーションそれぞれが持つ機能を、XMLで組み合わせて新しいサービスを作る……何だかかっこいい響きですね。と、同時に何となく難しそうな印象も受けてしまいます。
そんな2つの意味を持つWebサービスですが、本連載ではその両者とも作ることにチャレンジしていきます。
さて、どちらのWebサービスを作るにしても、その手段を考えるに当たってまず思い当たるのは、どのプログラミング言語を選択するか、です。
Java、C#、PHP、Rubyいろいろありますね。でも、わたしは迷わずPerlを選択します。なぜならそこにPerlがあるから……では理由になりませんね。
Perlはご存じのとおりスクリプト言語で、ちょっとしたツールを作ったりするのには非常に高い生産性を発揮します。ほかの言語で十数行必要な処理が1行で書けてしまうなんてこともざらにあります。
わたしが働く会社では月間3億ページビュー以上あるWebサービスをPerlで構築していたりします。Perlは数行のツールから億単位のトラフィックをさばくアプリケーションまで、幅広く対応できる言語です。
もう1つは、CPANの存在です。CPANのおかげでPerlプログラミングはとっても楽々です。
最近よく耳にするWebサイトを挙げてみてください。Perlで作られているものが、結構あったりしませんか? はてなの各種サービスもそうですし、ブログツールで有名なMovable Type、それから最近流行のソーシャルネットワーキングサービスmixi、後、Amazon.comもPerlで作られている個所が結構あると聞いています。スケーラビリティを確保しつつスピーディーに開発していくのに、Perlは向いているんですね。
「しーぱん」と読む(まれに「くぱん」と読む人もいるようだ)。
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