ツールだけじゃムリ? 90万のファイル検索を実現した東京ガスよく効くエンタープライズサーチの処方箋(2/3 ページ)

» 2007年03月23日 08時00分 公開
[岡崎勝己(ロビンソン),ITmedia]

電子ファイル+紙文書の検索環境を目指す

 川端氏はKM環境の整備に当たり、まず約半年をかけてどのような手法でその実現を図るべきかを、現場の意見を聞きながら入念に検討。その結果、工場を含めて「社員が業務を通じて作成した資料を一元的に検索して、新たな業務に活用できる環境の整備」という目標を掲げ、その実現を図るツールとしてESPの導入を決断した。

図 東京ガスのESP環境(クリックで拡大)

 エネルギー生産本部では、工場の建設、オペレーションメンテナンスから防災に至るまで、都市ガスの生産にまつわるさまざまな業務活動を展開してきた。その過程で作成された文書は、電子文書で実に約90万ファイルに上る。だが、従来は各工場や本社が地理的に離れていたため、ネットワーク性能などの限界から電子情報の共有を進展させる余地があった。

 「エネルギー生産本部では約430名の社員が各拠点で活動しており、工場の設計についてまとめた資料や技術資料などが日々、作成されている。それらを部門全体で検索できる環境を整えることで、新たな取り組みを開始する際にも、資料を収集する手間などを大幅に効率化できると見込んだ」と川端氏は振り返る。

 その実現に向け、川端氏は検索精度や検索に要する時間、国内の導入実績などを基に4種類のESP製品を総合的に評価。その結果、検索精度が高かったことに加え、自然文に対応している点、検索精度を高める仕組みが用意されている点を好感し、CBの導入を決断した。

 「われわれは日常の業務でさまざまな技術用語を、例えば液化天然ガスならLNGという具合に、多様な言い回しで用いている。CBであれば類義語を登録することで、そうした言い回しにとらわれず、検索漏れを減らし、本当に欲しい情報の検索環境を整えられると見込んだ」(川端氏)

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