MS、「Viridian」「Virtual Server 2005 R2 SP1」を延期

仮想化技術Viridianの公開βとVirtual Server 2005 R2 SP1のリリースが今年後半に延期された。

» 2007年04月13日 12時08分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 米MicrosoftはWindows Server仮想化技術「Viridian」の最初の公開β版のリリースを、2007年前半から同年後半に延期した。パフォーマンスと拡張性に関する社内目標を達成するためだ。

 Viridianは、MicrosoftのWindows Hypervisor技術。OSの下で動作し、複数の仮想マシンのリソースを管理する。

 しかしMicrosoftはこの分野ではライバルのLinux陣営に後れを取っている。Red HatやNovell傘下のSUSEは既にHypervisor技術「Xen」をサーバ製品に統合している。

 「β版が当社の設定した『スケールアップ』基準を満たすには、まだ幾らかやることがある。またわれわれは、Windows Server仮想化技術が、要求の厳しいエンタープライズITワークロード、I/O負荷の高い作業を処理できるよう調整している。このためパフォーマンスは非常に重要であり、この点でもまだやるべきことがある」とMicrosoftの仮想化戦略担当ジェネラルマネジャー、マイク・ニール氏は4月12日に語った。

 だがそれでもViridianは、Windows Server「Longhorn」のリリースから180日以内に提供される予定であり、同OSは6月末のβ3リリース、今年後半のRTM(製造工程向けリリース)に向けて今も順調に進んでいると同氏は言う。

 Virtual Server 2005 R2 Service Pack1(SP1)のリリースも今年前半の予定が後半に延期されたが、Microsoftの顧客とパートナーは4月末までにはリリース候補(RC)をダウンロードして利用できる。

 SP1のβ2はここからダウンロードできる。

 SP1で追加サポートする3つの新しいOS(SUSE Linux Enterprise Server 10、Solaris 10、Windows Server Longhornの直近CTPビルド)をテストするためにさらなる時間が必要だとニール氏は語った。

 ニール氏はブログで、Windows Server Longhornは予定通りに進んでおり、「イアン・マクドナルドとそのチームは次世代Windows Serverを提供する上で素晴らしい仕事をしている。このOSにはTS Gateway、Server Core、Network Access Protection、IIS 7.0、新しいサーバマネージャ、フェイルオーバークラスタリングの改良などの機能が含まれる」と記している。

 こうした作業はすべて、Longhorn Serverをより安全でセキュアなインフラとして提供し、管理者の仕事を簡略化するためのものだと同氏は言う。

 同製品は競合製品よりもずっと幅広くシステムを拡張するよう設計されており、最高で64プロセッサに対応するとして、同氏は「これはほかのベンダーの製品ではサポートしていないと誇りを持って言える」と述べている。「またわれわれは、プロセッサ、メモリ、ネットワーキングコンポーネントのホットアドに対応し、SMP(対称型マルチプロセッシング)サポートとメモリの拡張性が向上したもっと動的な仮想マシン環境を提供する」

 一部のパートナーも、Viridianの非公開β版を2006年12月からテストしてきた。Microsoftは公開βというマイルストーンに向け、これらパートナーのフィードバックを利用する計画だと同氏は言う。

 同社はまた、顧客がViridianをWindows Server Longhornシステムに追加する方法についてのガイダンスも提供する予定だ。

 Virtual Server 2005 R2 SP1は、追加サポートするSUSE Linux Enterprise Server 10、Solaris 10、Longhorn Serverの直近CTPビルドをテストするための時間が余分に必要だとニール氏は語る。

 「ここで興味深いのは、Virtual Server 2005 R2向けのLinuxアドインが1年足らずのうちに1万5000回以上ダウンロードされたことだ。Windows Server上でLinuxワークロードを統合することに強い関心が持たれていることを示している」(同氏)

 Microsoftはまた、Virtual Server R2 SP1を強化し、最大256Gバイトのメモリ、より多くのプロセッサコアでシステムを拡張できるようにした。32ビット版Windows Serverは64の仮想マシン、64ビット版は512の仮想マシンに対応する。

 「Intel VTおよびAMD-Vの形で、ハードウェアベースの仮想化のサポートも追加した。開発チームはVirtual PC 2007のリリースと、最初の38日で100万ダウンロードを超えた関心の高さも非常に誇りに思っている」(ニール氏)

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