カスタマー・サービス3.0の実現へ――G-Force 2007速報「世界一有名なヨットマン」も登場

コンタクトセンターソリューションのトップベンダーであるGenesysが開催したG-FORCE 2007において、同社CEOのウェス・ハイデン氏が基調講演に立ち、カスタマー・サービスのあるべき姿について語った。

» 2007年05月01日 07時00分 公開
[石森将文,ITmedia]

 米国時間の4月23日から三日間にわたり、コンタクトセンターソリューションベンダーであるGenesys主催の「G-FORCE 2007」が行われた。初日San Diegoの会場に参集した聴衆を前に、同社CEOのウェス・ハイデン氏が基調講演を行った。

ジェネシスCEO ウェス・ハイデン氏

 ハイデン氏はこれまでカスタマーサービスの遷移について、「電話によるインバウンド・アウトバウンドのアプローチ(1.0)に始まり、次いでコールセンター化(2.0)が進んできた」と分類してみせ、それに変わる新しいコンセプトとして「カスタマー・サービス3.0」を提示した。これは現在、手段(電話、ウェブ、メール、チャット等)およびコンタクト先(購入窓口、契約窓口、保守窓口等)ともに複雑化してしまい、ともすれば顧客が「たらいまわし」にされがちなコンタクトセンターを一元化するという考え方である。

顧客と企業の関係を統合するカスタマー・サービス3.0

 またハイデン氏は、すでに同社が発表しているダイナミック・コンタクトセンターの先に実現される世界は「カスタマー・サービス・チェイン」であると述べた。

 「顧客はよりリッチな関係を企業と結ぶことを望んでいる」とハイデン氏。同氏はカスタマー・サービス・チェインの実現により、顧客と企業の関係が緊密化することで、「あらゆる市場でコモディティ化が進み、価格や品質での差別化が難しくなっても、顧客サービスで企業競争力を高められる。つまりコンタクトセンターこそが、企業の戦略的なアセットとなる」と語った。

カスタマー・サービス・チェインの構築により企業価値は高められる

 当日は数々のセッションが行われたが、トリを飾ったのは、世界最高レベルのヨットレースである「アメリカズ・カップ」で地元アメリカを多くの優勝に導き、「Mr.アメリカズ・カップ」とまで呼ばれた名スキッパー、デニス・コナー氏である。

「Mr.アメリカズ・カップ」ことデニス・コナー氏

 アメリカズ・カップに9回出場し、そのうち7回の優勝を成し遂げたコナー氏は、「勝者の条件」をテーマに聴衆に語りかけた。

 「あらゆる局面で勝利を収めるためには、チームワークと献身が重要だ」とコナー氏。実際のレースでの体験だけでなく、スポンサーからの資金集め(アメリカズ・カップに参加するには、ヨットの設計開発や人件費など、莫大な資金が必要になる)やスタッフィングなどに苦労した体験もとに、自身のマネジメント哲学について述べた。また、特にチーム・ニュージーランドとの激闘のくだりでは、会場を大いに沸かせた。

  G-FORCE 2007の詳報については、追ってリポートする。

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