SNSを盛り上げるノウハウならISP

ソネットは企業向け製品第1弾として「So-net SNS for Biz」を5月16日にリリースする。大手ISPならではのSNSの強みとは?

» 2007年05月02日 08時30分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 ソネットエンタテイメントは、商用利用が可能な企業向けSNSプラットフォームサービス「So-net SNS for Biz」を5月16日から開始する。コミュニケーションサービスに明るいISPが提供するSNSの強みとは何か、同社に聞いた。

 ソネットは、2006年6月から一般ユーザー向けに「So-net SNS」を提供している(関連記事)。So-net SNSは、ユーザーが独自のSNSを作成・運用できるのが特長だ。現在は利用者全体のうち、約4000ユーザーが管理者として多彩なテーマで独自のSNSを運用しているという。

 ソリューションサービス部の岡田正義マネージャは、「仮想空間の中だけでコミュニケーションが完結することが多い一般的なSNSと違い、So-net SNSは現実世界のコミュニケーションを補完する利用が目立つ」と話す。岡田氏自身、日頃は忙しい学生時代の仲間とオンラインでもコミュニケーションできるように同窓会SNSをSo-net SNS内で運営している。

ユーザーページのカスタマイズ例。コンシューマサービスと同様に利用しやすい機能やデザインが用意されているほか、メニューによってはフルカスタマイズも行う

 So-net SNS for Bizでは、ASPの「Entry」と「Pro」、フルカスタマイズの「Enterprise」「Platform」の4つのメニューが用意されている。So-net SNSの特色を継承しつつ、利用シーンに応じた形のシステム利用、そしてSNSを活性化するためのノウハウを提供し、商用利用にも対応する。

 例えば、2000ユーザーまでに対応する「Pro」は、独自ドメインやSSL(オプション)を利用でき、社内SNSなどの利用に最適だという。部門単位や有志などの単位で社内の情報を共有・蓄積していくことができる。また内定者に対して入社までのフォローや内定者同士が入社前から交流できる仕組みとしても利用も可能だ。

 Platformは、So-net SNS for BizのシステムをOEM供給するようなイメージだという。具体的にはケーブルテレビ局のような地域ポータルサービスを提供する企業がSNSシステムを導入するといった、大規模導入に対応しているという。

 多くの一般向けSNSでは商用利用を禁止しているが、So-net SNS for Bizでは広告掲載や商品プロモーションのほか、マーケティング支援サービスも提供する。SNSを利用した場合、エンドユーザー(消費者)に対するフィットする訴求や熱心な消費者の声を継続的に集めた商品開発まで、活用方法は幅広い。ソネットではアクセス解析やSEO対策などのサービスも提供するほか、「So-net」ポータルページとの連動サービスなども検討していくという。

法人サービスを担当する高木ソリューションサービス部長(左)と岡田マネージャ

 コミュニティが継続するには、管理者の活躍やメンバー同士の盛り上がりが不可欠。そこで、「コンシューマでのノウハウを基に、立ち上げから運用までコミュニティが活性化するための支援を幅広く行っていく」と岡田氏。定期的なセミナーの開催、またコミュニティ活性化術をユーザー企業同士で共有できる仕組みも提供するとしている。

 ユーザーの素性が明らかな社内SNSや利用目的意識の高いファンサイトなどでは、「炎上」や「荒らし」などのトラブルが起こりにくいという。SNSの管理者は、メンバーの登録方法(招待制や自主登録)やID、メールアドレスを管理できるため、万が一にリスクにもアクセス制限などの対策を執ることできるとしている。

 携帯電話からもコミュニティの更新情報入手や日記(ブログ)の閲覧・書き込みなどのSNS機能を利用できるため、即時性の高い情報共有も可能だ。

 高木功ソリューションサービス部長は、「ソネット自体も社内SNSとしてカスタマサービスセンターを含む全社規模で運用するため、そのノウハウを随時サービスに反映したい」と話す。同社ではネットワークサービスやシステム開発・構築なども手掛けており、インフラ面を含めた企業向けのコミュニケーションサービスを展開するとしている。

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